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『きみのお金は誰のため』を読んで

感想

お金を貯めること、増やすことがすきな私に、お金を使うことに対する視野を広げてくれた本。知らず知らずのうちに貯めることがゴールになっていたことに気づき、いいお金の使い方ってどんなだろう..?と考えるきっかけになりました。「内側」と「外側」という考え方をベースに、“ぼくたち”(内側)と思える人、コミュニティ、人と人の繋がりを意識して、より良い選択をしようと思えば、いいお金の使い方ができるようになる。(ちなみに外側は社会。)より良い社会を思ってお金を循環させる、はちょっと綺麗事のような、自分から遠いことのように感じるけど、“ぼくたち”と思える範囲を広げ、みんなで豊かになろうとする意識を持つ、はみんなが持てそうな視点だなと思いました。また、この本によって自分の財布の中身を見ているだけでは世の中の、社会のお金の流れは分からないということにハッとさせられました。手元に置いて何回も読み返したいし、たくさんの人に読んで欲しいと思った本です。

心に残ったフレーズ

「多くの人がお金のために働き、お金に感謝する。年収が高ければえらいと思い、貯金が多ければ幸せやと感じる。生活を支えるのはお金やと勘違いして、いつしかお金の奴象に成り下がるんや」

プロローグ  社会も愛も知らない子どもたち

「(中略)難しい単語を覚えただけで理解した気になると、そこで学びが終わってしまう。そういう人たちが、世の中にはぎょうさんおるわ」「(中略)知恵の実を食べて覧くなるわけやない。知恵は育てるもんや。重要なのは、自分で調べて、自分の言葉で深く考えることやで」

第1章 お金の謎1「お金自体には価値がない」

「新しい会社には収入がないから、エンジェルと呼ばれる投資家が、株をもらうかわりに資金を提供してあげるのよ。それをエンジェル投資と呼ぶの」彼女の話によると、ただお金を出すだけでなく、経営に関するアドバイスをしたり、有益な人脈を紹介したり、さまざまな形でサポートすることもあるそうだ。「株価が上がるか下がるかをあてて喜んでいる間は、投資家としては三流や。それに、投資しているのはお金だけやない。さっきの2人は、もっと大事なものを投資しているんや」ボスは七海と優斗を順に見つめてから、ゆっくりと続けた。「それは、彼らの若い時間や」

第4章 格差の謎「退治する悪党は存在しない」

「投資ってのは、未来への提案なんや。こういう製品やサービスがあったら未来は良くなるんちゃうかとみんなに提案しているんや」

第4章 格差の謎「退治する悪党は存在しない」

スタートアップをフィールドに活躍ししつつ、自身もエンジェル投資家をしている知り合いがいる。(エンジェル投資家って言葉をこの本を通じて初めて知った!)ベンチャーキャピタルを担当する部署に尊敬する上司がいる。投資される側と投資する側、彼らの話を聞くことが私は本当にだいすきで、とても興味深い。自分の世界では思いつきもしない問題を、課題として認識して人生をかけて立ち向かっている人がいる。そんな人に出会える環境も、同じ方向を向いて努力する環境も、凄く素敵なフィールドだと思う。知れば知るほど、人もサービスも可能性に満ちている!株価だけを見ない投資はまさに、お金にお金以外の付加価値が生まれるお金の使い道だな、と。

「(中略)地元でお金を使えば、地域経済が活性化する。その逆をすれば、お金が外に流れていって、地域全体が沈んでしまうねん。そうやって地方と都会の格差は広がっていくんや」

第4章 格差の謎「退治する悪党は存在しない」

自分がする何気ない選択で地方と都会の格差がますます広がっていくということ。この視点を持ち合わせておきたい。

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