ASL〜看護師としての葛藤〜
こんにちは!
先日、ALSを患う方のケアをしたことをきっかけに、思うところがあったのでALSについて学んだことを書きたいと思います。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)は症状的に、『永遠の金縛り』とも言われるそうです。
れいわ新選組の舩後靖彦さんも公表されていますね。
病態は、参考書に書いてあるままですが、筋肉や内臓、聴覚や触覚などの感覚機能の低下もなければ意識の低下はないけれど、筋肉を動かすための神経伝達ができなくなる。そのために、本人の意思通りに筋肉を動かすことができなくなってしまう。
まさに『永遠の金縛り』状態になってしまうのですね。
初期症状は手足の動きの異常を感じる方が大部分だが、舌の動きや嚥下のしにくさが初期症状になる方もいる。
発症年齢は、40代~50代が多い。
手足の動きに違和感を感じた方は、受診先として整形外科・内科を受診する方が7割。
舌・嚥下に違和感を感じた方は、神経内科を受診する割合が若干増える。
初期症状だけでは、神経性の疾患だと思わないケースが多く、他科を受診しがちなために発見が遅れ、治療が遅れるケースが多い。
ALSは、進行性の病気で、筋肉の動きが改善することはないと言われている。
進行すると、呼吸筋を動かすこともできなくなり、大部分の方が呼吸困難で亡くなる。
教科書的な情報は知っていたのですが、教科書で知り得る情報では足りないものもある。
看護師的な視点で見ると、生活のどんなことで困るのか、どんな苦痛があるか…
今回、仕事で痛感したことがあったので共有させてもらいたいと思う。
その方は初めて会う方だった。
他のスタッフは面識があり、意思の疎通もスムーズにできていた。なので、分からないことは聞きながら、彼の訴えを汲みとれるように意識して対応しました。
清潔介助をしましたが、ケア中に自分の中ですごく葛藤することがあったのです。
陰部を洗っている時に、もっとゴシゴシ洗ってほしいと言われました。
痒みがあっても、自分で掻くことはできない。
しかも陰部は皮膚トラブルも起こりやすい。
痒みが出やすいのも理解できる。
その訴えは当たり前だ。しっかり洗うべきだ。
状況的には何もおかしくない。
なのでしっかり洗いました。
でも、痒みはなかなかとれませんでした。
これはしかたないことなんだ。
そう思っても、男性の陰部を長時間洗い続けることに、抵抗を感じてしまいました。
陰部洗浄は慣れているのですが、この時はいろんな感情が出てしまいました。
痒みをとりたい。
彼だって、こんなこと他人にお願いしたくないはずだ…
自分でできないから…
でも本当に?
いや、そんな風に思ったらダメだ
これは仕事なんだ。
でも、この気まずさは何だろう…なんで男性スタッフは変わってくれないんだろう?
なんで?
患者さんを目の前にして、新入りの私がケアを変わってとも言いにくい…
病気を理解しているつもりでも、彼の辛さを信じられていない自分がいました。
本当に、こんなこと考えるべきじゃないと思います。
私の病気への理解と、自分の仕事の理解が足りないからだと思います。
ALSを患う方は、皮膚の痒みや、肌に何か当たっている感覚が嫌だった時、身の置き所のないような気持ちになるそうです。
自分の想像を越えることを、理解できていませんでした。
もし、またALSを患う方と関わる機会があったら、今度こそは、もっと理解できるように、もっと快適なケアができるように、勉強したいです。
まずは当事者の方が書いた手記を読みたいと思います。
今回気付かせてくれた方、ありがとうございます。
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