夏よ、今年こそ、だめかもしれない。

夏が苦手だ。

正確に言うと、夏の暑さが苦手だ。

夏は、決して悪いことばかりではない。

日が高く昼が長いので、一日の活動時間が長くなって得したような気がする。

植物たちがここぞとばかりに葉をきらめかせてたなびいている様も美しい。夏野菜はつやつやと色鮮やかで、「うちら、絶対美味しいけど？」という自信をひしひしと感じる。夏は、野菜が主役の季節である。

それから、冷やし中華とかそうめんとかかき氷とか、お祭りとか屋台とか花火とか、そういうものが毎年の楽しみではある。

そういう意味では、夏も好きかもしれない。

しかし、暑さ。お前だけはダメだ。

毎度、体が溶けそうになるし、実際半分溶けてると思う。よーく目を凝らしたら、ほら、輪郭がぼやけている。夏の暑さで体が溶けている証拠だ。陽炎？そうとも言う。

暑くない夏があったら連れてきてほしい。歓迎する。

とは言え、それはそれで「今年は冷夏で作物が…」とか言われてしまうのだろう。それは心苦しい。

作物に影響を及ぼさない程度に涼しくなってもらえないだろうか、夏よ。

私、今年こそ、夏を越せないかもしれない。