理解・共感・同意を使いこなせば、コミュニケーションはもっとうまくいく
「今日のランチどうする? あんまりお腹減ってないんだよね。」
ー「そっか。でも僕は今日、ステーキ食べたいんだよね。」
「え?私はお腹減ってないって言ってるのに?」(イラッ)
こんなコミュニケーションに心当たりはありませんか?
これはよくあるコミュニケーションエラーの典型パターンで、「理解」「共感」「同意」の切り分けができていないことが理由だと僕は考えています。
こんにちは!全国で日帰り温泉「おふろcafé」を展開しているONDOグループの宮本です。
僕自身は、三重県に拠点を置く「株式会社旅する温泉道場」の代表取締役をしながら、母体である埼玉の「株式会社温泉道場」で、副社長兼CHROとして人事の責任者をしています。
立場上、色々な階層の方々とコミュニケーションをとる機会があります。それこそ、取引先のお偉いさんから、自店舗のアルバイトスタッフまで本当にさまざまです。
価値観も前提も違うからこそ、些細なことでコミュニケーションエラーがおきることがあります。そこで僕が日頃気をつけていることを、今日はお伝えしたいと思います。
今日のテーマは、「理解」「共感」「同意」の違いについて。仕事の場面でもプライベートでも役に立つお話です。
そもそも「理解」「共感」「同意」は違う
「理解」「共感」「同意」という言葉を漠然と捉えると、どれも「分かる」というニュアンスになります。しかし、厳密にその意味は違います。
辞書をひいてみると
◾️理解
1. 物事の道理や筋道が正しくわかること。意味・内容をのみこむこと。
2. 他人の気持ちや立場を察すること。
◾️共感
他人の意見や感情などにそのとおりだと感じること。また、その気持ち。
◾️同意
1. 他人の意見などに対して、賛成すること。
2. 同じ意見。同じ考え。「—の士を募る」
3. 同じ意味。同義。
という具合です。
よく、コミュニケーションには共感が大事、なんて言ったりもしますが、この理解・共感・同意の意味の違いを考えないまま、漠然と「分かるー」という意味で考えてしまっている人が多いように思います。
理解・共感・同意を使い分けると、コミュニケーションエラーが減る
今、自分は相手に対して理解を示しているのか、共感しているのか、同意しているのか。
これをしっかりと切り分けて、相手にも伝わるようにコミュニケーションをとることで、コミュニケーションエラーを減らすことができます。
冒頭の会話を思い出してください。ここからは、AさんとBさんの会話という体で話を進めます。
Aさん:
「今日のランチどうする? あんまりお腹減ってないんだよね。」
これに対して、Bさんは
「そっか。じゃあカフェにしよっか?」
と答えたとします。
このとき、Bさんは、Aさんの「お腹減っていない」という発言を理解はしていますが、共感や同意をしているかはわかりません。
この会話から分かることは「お腹が減っていない」という状況を理解しているから、軽く済ませるためのカフェを提案しているということです。
Bさんもお腹が空いていないかもしれませんし、実はめちゃくちゃお腹が減ってて、ステーキを食べに行きたいと思っているかもしれません。
「同意するか否か」に焦点が当たるとトラブルになる
仕事の会話でも、家族の会話でも、コミュニケーションでトラブルが起きる時は、だいたい結論としての「同意するか否か」を焦点にしてしまうときな気がしています。
Aさん「今日のランチどうする? あんまりお腹減ってないんだよね。」
Bさん「そっか。でも今日ステーキ食べたいんだよね。」
Aさん「お腹減ってないって言ってるのに?」
という、冒頭で紹介したようなケースです。
実は僕も結論を急ぎがちで、無意識にこういうコミュニケーションをとってしまうことがよくあるため、意識して次のようなコミュニケーションをとるようにしています。
Aさん「今日のランチどうする? あんまりお腹減ってないんだよね。」
Bさん「そっか。お腹減ってないんだね。僕はちょっとお腹減ってるかな。」
これはどういうことかというと、お腹が減っているという自分の意見を伝える前に、「そっか。お腹減ってないんだね。」と、相手の状況を理解していることを示しているのです。
特に仕事の場面では、円滑な人間関係が築きたいからといって、相手の言葉に何でも同意するわけにはいきません。むしろ、誰にでも「わかる、その通りだね」という返事をしてしまうと、組織に混乱を生むことにもなります。
そこで「言いたいことは理解できるし、僕もその立場だとそう感じると思うな。」というように「理解ができるか」「共感できるか」のスタンスをまず伝えるようにしています。
そして、その上で、自分の意見を伝えます。
このように1つクッション挟むことで、まずは理解しようとしているし、ある程度共通理解があるよ、ということを伝えられている気がしています。
職場でのコミュニケーションで悩む時には、理解・共感・同意は違うことを頭に入れておくといいと思います。
この記事が参加している募集
サポートいただけると嬉しいです! これからも地方創生・温泉・サウナ・人事などをコツコツ書いていきますので、書籍の購入費用に充てさせていただきます。