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【映画鑑賞日記】わたしは最悪。 の感想

先日映画館で「わたしは最悪。」を観てきました。
久しぶりの映画館。大きいスクリーンで観られてよかった!

あらすじ

学生時代は成績優秀で、アート系の才能や文才もあるのに、「これしかない!」という決定的な道が見つからず、いまだ人生の脇役のような気分のユリヤ。そんな彼女にグラフィックノベル作家として成功した年上の恋人アクセルは、妻や母といったポジションをすすめてくる。ある夜、招待されていないパーティに紛れ込んだユリヤは、若くて魅力的なアイヴィンに出会う。新たな恋の勢いに乗って、ユリヤは今度こそ自分の人生の主役の座をつかもうとするのだが──。

ABOUT THE MOVIE | 「わたしは最悪。」

感想(ネタバレ含む)

なんか自分と似てた。
年齢も、同じくらいの歳のパートナーがいることも、飽きっぽい性格も、子どもを作ることに踏み切れない気持ちも、理想を追い求めて何にもなれていない姿も…

オスロにいる、もう1人の自分(と同じような人)の日常を覗かせてもらっている、という感じでした。
自分に似てるけど、感情移入して自分も泣いたり怒ったりというよりは、ただその場に自分もいる、という感じ。

そういえば、感情移入はないと書いたけど、ユリヤとアイヴィンが出会うパーティーの場面はものすごくドキドキしました。
特に2人がベッドで話すシーン。
生々しくて、勝手に覗いてるのに、なんか観ちゃいけないような…

このシーン好きだ〜

ユリヤが天真爛漫な少女にも、小悪魔にも、色気たっぷりの女性にも見えて、レナーテ・レインスヴェさん(ユリヤ役の方)すごい。

この映画の脚本は、レテーナさんのために書かれたそうです。

今回はレナーテのために脚本を書いた。
(中略)
レナーテは大胆で勇敢、平気で不完全な部分を見せることが出来て、虚栄心が無い。明るさと深みのバランスが独特で、コメディもシリアスなドラマも演じられる素晴らしい才能を持っている

ABOUT THE MOVIE | 「わたしは最悪。」

そのほか、公式サイトのインタビューが面白かったので、いくつか貼ります。

現代の女性は結婚する必要も、ある程度の年齢で子供を持つ必要もない。その一方で、僕たちは恋愛において成功しなければという、大きなプレッシャーを感じている。難しいね。自由は複雑だ!

ABOUT THE MOVIE | 「わたしは最悪。」

そうなんだよなあ。
結婚しなければいけない、子どもを持たなければならない、という昔の考えは無くなってきているし、自分もそう思っているんだけど。
なぜか、恋愛は必要なものであって、結婚/出産抜きにしてもうまくいっていないといけないプレッシャーを勝手に感じている。

そのオスロの街をユリヤが横切ってアイヴィンに会いに行くという、本作の中でも最も印象に残るシーンについて、トリアー監督はこう説明する。「ロマンティックな場面なので、ミュージカルのようにしたかった。それに、デジタルの効果は使いたくなかったから、本物の人間がじっと立ち止まり、風が木立や人間の髪を揺らしている。このシーンは、究極のロマンティックなファンタジーだよ。一夫一婦制の境界線で楽しみながら、『すべてを止めて恋人と異なる時間軸にいたい』と願う場面だね。それを映画で表現したかった」

ABOUT THE MOVIE | 「わたしは最悪。」

このシーン、本当に人が止まってるんだ!すごいー。
メイキングとかあったら観てたいなと思って探してみたのですが、残念ながら見つからず。

そして最後。
数年後のシーンなのかな。
ユリヤはなりたかったカメラのお仕事をしていて、アイヴィンとは別れて1人で暮らしている感じ。
あ、置いていかれた…と思ってしまった。
何でだろう、精神的にも経済的にも自立して夢を叶えているからかな?

遠く離れた(何ならフィクションの)話だけど、なんだかリアルに感じて、好きな映画でした。


また、今回どこの映画館で観ようかな〜と探したところ、既に1日1.2回(しかもレイトショーが多い)でなかなか観にいけず。
観たいと思った映画はすぐに観に行こうと思ったのでした。

おわり。