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【ゆるい日記】あの日の光景が忘れられない

たくさんの人が我先にと押し合い、ぎゅうぎゅうにバスに乗り込んでいる。
誰も言葉を発しない、無言のバス。
11年前のあの日、一番よく覚えている光景です。

まだ学生で、ちょうどテスト期間だったころ。
家から数駅離れた図書館で勉強している時に、東日本大震災が起こりました。

その時は地下にいて、地上ほど揺れは感じなかったと思います。
最初は、あ、地震かな、くらい。ゆーらゆーらゆっくり揺れました。
それでもあまりに長く続くので、同じ空間にいる人たちもキョロキョロ、顔を見合わせて机の下に潜りました。

揺れが収まると、一目散に出て行く人を見て、私も後に続きました。
その頃はまだガラケーで、しかももう電池が残り少なくて、確か祖母に帰るメールだけ送ったのかな。

駅に着いてびっくり。
ものすごいたくさんの人たちが駅前にいました。電車も動いてないみたい。
その時、あ、これはただの地震じゃなかったんだと思いました。

バスには人が押しかけ、ドアが閉まるのに構わず乗ろうとしている人もいました。
誰か、大声で叫んでる人もいた。
いつもは静かで、きちんと列に並んでいる人たちが、こんな風になっちゃうんだ。
すごくその光景が恐ろしく見えました。

それから何本かバスを見送って、家の近くまで行けるバスに乗りました。
車内はたくさんの人でいっぱい。
これから、どうなっちゃうんだろう。
他の人も、私も、誰も喋りませんでした。

家に戻るとガスは止まっていて、その日の夜ごはんはホットプレートで。
自分の部屋で寝るのが怖くて、母と妹と一緒に和室で布団を敷いて3人で寝ました。
その日、私の起きている内に父は帰ってきませんでした。

次の日テレビを点けると、どの局も地震のことをずっと放送していて。
被災地の様子に衝撃を受けて、テレビから目が離せなかったのを覚えています。

あれから10年以上経って、少しずつ忘れちゃっていることもあるけど、
11日にテレビの特集を見て、いろんな気持ちが蘇ってきました。