待ち合わせ

僕は今、電車で長い距離を移動中。
理由は、ネットで知り合った彼女に逢いに行くため。
彼女とはラジオ配信で知り合い、彼女の声がとても心地よくてよく配信に通っていた。
自分でも「君に逢いたい」なんて言うとは思ってもみなかったが、彼女の嬉しそうな声が余計愛おしかった。
長い移動の後、やっと彼女の住む街に着いた。
駅の改札を出ると、まだ肌寒い風が吹き込んできた。
周りを見渡すと、1台の車の前で1人の女性が立っていた。
そう、彼女だ。
「やっと逢えたね。遠くまで逢いに来てくれてありがとう」
僕も「うん。流石に遠かったけどやっと君に逢えた」
お互い見つめ合い少し照れながらも軽く抱きしめあった。
「早速で悪いけど、お腹すいたから何処か落ち着いて食事出来る所有るかな?」
彼女に話すと、少し笑いながらも「そうだよね(笑)、私もお腹すいてきちゃった。」
2人で笑いながら彼女の車に乗り込み、彼女の行きつけのカフェに行く事にした。
軽く食事を済ませて、コーヒーを飲みながら、今までの事や道中迷子になりかけた話に盛り上がり
「これからどうする?」
僕が聞くと、彼女は少しだけ考え、お気に入りの場所が有るからそこを見て欲しいと話した。
高台の公園で街が見渡せる素敵な場所だった。
「私ね!ここがお気に入りなの、ここに来ると落ち着くから」
僕もなんだか落ち着くように思えたが、ここに来たもう1つの理由が有る事を、ここでしようと決心した。
「あかりちゃん。」
「なに?」
「逢うだけのために来ただけじゃないんだよ。僕の気持ちを受け取って欲しい」
そう言って小さな箱を彼女に渡した。
「結婚を前提に付き合って下さい」
彼女は顔を赤くしながらも
「はい。私で良ければ宜しくお願いします」
暫くの沈黙の後に、彼女を抱きしめキスをした。
そうして僕達は結婚をして新しい土地で新しい生活を送ってる。
大好きな彼女に、そして来年には2人の子供が彼女のお腹の中で。
これから僕たち家族がいつまでも幸せな人生であります様に。

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