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ボードゲームの王様「カタン」

 

「ボードゲームの王様」はなぜ面白いのか。


 説明書には「何度も楽しめる」という常套句が載っている。 二か月以上、我が家では毎週末にやっている。だけではなく、約1時間のプレイをやり終えるともう一度やりたくなる。(どこかのサイトでは「ドミニオンはプレイ後すぐにもう一度やりたくなるがカタンはプレイ時間も長いので一度やるとお腹一杯」と書かれていたのだが。)

 カタンが飽きない理由として、プレイする回ごとに、地形の配置が変わる、というのがよく挙げられる。 たしかにプレイする度に「今回の島はどんなかな~」となる。 地形の配置によって戦略が変わってくる訳だが、それよりも「最初にどの土地を取るか、どこを取ると有利か」を考えるのが楽しいのだ。 我が家では、この最初の土地の取り合いに10分はかける。 取る順番決めも重要なので熱くなる。 子供たちはこの段階でしばしば「あ~これじゃもう駄目だ~」と不貞腐れる。 しかし、ゲーム開始前なので親も強気で「だったらやるのやめよう」と言える。 子供は、たいていは自分の負の感情を整理し、続けることを選ぶ。 さらに、カタンは途中で不貞腐れることが比較的少ない。(なぜなら、後半は資源が取れるようになるので、たとえ思い通りに行かなくてもなんとか自分なりの道を見いだせるのだ。) 何と教育に有効なゲームだろう! 
 
 カタンをボードゲームの王道たらしめる最大の要因は、あらゆる面でのバランスの良さだと思う。

 ①「ゲームバランス」 コンピューターゲームでも、名作か否かは、ゲームバランスで決まるだろう。 カタンの場合、5種の資源をどれだけ集めれば何ができるのか、というバランスが良い。 序盤はレンガと木材、後半は鉱石が必要になる。 土地の配置とプレーヤーの開拓地の場所とサイコロの目によってどれが価値をもつかはその時次第だが、不必要な資源カードはない。 かといって5種類全部を生産する必要もない。 貿易や交渉を用いれば多少効率は悪いがどれでも得られる、という融通の良さもある。 ついでに言うと、各資源カードの枚数が、山札から無くなりそうで無くならない絶妙な枚数。よくできているなあ、と思う。

 ②「戦略性と運」 最初にどこに開拓地を置くか、そこからどう展開させていくか、交渉の機微。 日本のカタン大会で同じ人物が何度も優勝しているわけだから、プレーヤーの戦略性が勝敗を決することはたしかだ。 しかし実際に素人レベルでやると、サイコロで出る目がいかにゲーム序盤を左右する事か。 戦略性と運のバランスは、ゲームの奥深さと初心者もしくは下手な人への優しさとのバランスでもある。

 ③「交渉の面白さ」 交渉のタイミングによって、相手の今やりたいことと、自分が今欲しいものが、ちょうどよく合致することが多い。 もちろんダメ!という事もままあるが、その頻度がちょうどよい。 「交渉」というゲーム制作者にとっては制御困難な分野でバランスが良いというのは凄い。 (ちなみに我が家では手札をオープンでやっているし、勝負至上主義でもないので、相手が望んでいるなら「まあ、してあげてもいいよ~」という事も多い。交渉すること自体が楽しい。)(戦略的に考え、相手の有利になる交渉に対して「断る方が自分に有利だな」という勘定はあまりしない。)
 
 ④「勝負か、箱庭か」 10ポイントを先に集めた人が勝ちというゲーム目的だけでなく、自分なりの国を作る愉しみがある。領土を広げようかな、狭くてもいいから発展させてみるか、都市化に全振りするぞ、発展を極めるなり、最強の騎士団つくったど~。といろいろな国づくりが楽しめる、というか負けても良い国が作れたらそれなりの達成感が得られる。(ただし、これはまだ改善の余地はあると思う。発展カードで出るポイントカードにストーリー性が少ないので盛り上がらないのだ。大学が出ようと市場が出ようと1ポイントに過ぎない。)
 

我が家の追加ルール。


後日、追記します。


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