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哲学な日々 野矢茂樹

哲学な日々 考えさせない時代に抗して
野矢茂樹 2015年 講談社

哲学は体育に似ているという言葉で哲学を語ってしまうのだから、哲学の本を読むぞという肩肘を張って本を開いた人にとっては肩透かしもいいところかもしれない。

野矢先生はとても平易な言葉で、しかし本質的な問いに対してあれこれ言いながら解き明かす、その過程を見せてくれる。それを読んでいると哲学というのは確かに体育というか実技科目であるなぁと納得してしまう。

この本のそれぞれの章は新聞に連載したエッセイということもあってとても短いのだけれど、その短い文章に込められた意味の深さに飲み込まれていくようで読んでいてとても気持ちがいい。

本当によく分かって考えている人はどんなに難しいことも平易な言葉でシンプルに人に語れるというのはよく聞くけれど、自分にとってはそれがまさに野矢先生だ。

嬉しいことに野矢先生の本は割といっぱいあるのでしばらくは野矢先生漬けな生活になりそうな気配がしている。


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