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森見登美彦 著「きつねのはなし」考察その1

先日「四畳半タイムマシンブルース」を読みました。2か月前までは森見先生の作品は「熱帯」と「夜は短し歩けよ乙女」しか読んだことがありませんでした。タイムマシンブルースが話題になっていて読もうと思ったものの、どうも以前に書かれた作品も読んだほうがよさそうだと考え、Wikipediaにある小説作品で去年までに発表されているものを一通り読んだのが8月。最後に読んだ「夜行」に分からないことが多く、考察をこちらで書いたのが今月初めでした。

そのあと、夜行を読んだときにも「きつねのはなし」の謎があいかわらずぐるぐると回り続けているので、もう一回読み直してまとめてみることにしました。特に気になっていたことを挙げると

1.4つの話はどれくらいつながっているのか?
2.1話のナツメさんは何者?
3.2話の先輩は何者?
4.3話の先生はどこへ行った?
5.4話の樋口家の家族はどういう構成?
6.いくつかの重要そうなアイテムは何かを象徴している?

4話とも独立した読み物として完全に成立しているものの、どうも同じようなキーワードが出てきて関連性が強く感じられます。ただその結びつきが曖昧だったりずれていたりして、何とも言えない気持ち悪さがあります。せっかく考察をしてみるので、「どうしたら関連しているといえそうか」という視点で考えてみます。

「夜行」を読んだ後に改めて読むと、”東京はいつも夜なのです”という言葉とか、尾道近く出身の人とか、いろいろ「ゾワッ」とするところがあります。次回以降、ネタバレが含まれますが、いろいろ考察しようと思います。流れとしては。

1.各話の地理的な位置関係を俯瞰。話を読んでいて、ここってあそこと同じ場所?などと、わからなくなることがあったので、一回GoogleEarth上でまとめてみようと思います。
2.各話で、時系列がよくわからなかったものをまとめます。特に第4話が数世代にわたる話で、例えば「母」といったときにそれがだれかが文脈によって変わるので、まとめておきたいとおもいます。
3.各話の謎について、仮説を立ててコウダッタンジャナイカという話をしていきます。

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