#03:老いてから知る新世界 物理って面白い
ある日とつぜん襲われる『老いるショック』
齢(よわい)50を過ぎたある日、近くにいる若者の何気ない会話に目を丸くする時がやってくる。衝撃は浦島太郎の玉手箱を開けた時の心情にピタリと重なり、それは自らの『老い』に真正面に向き合わざるを得なくなった瞬間だ。私が尊敬してやまないみうらじゅん氏が提唱する『老いるショック』というのはこういうことなのか…と。
以降、急激に襲う自分のこれまでの歩みと後悔。
(あぁしておけばよかった)(こうすればよかった)…『人間はいつからでも何歳からでも始められる!』というスローガンをよく目にするが、物理的な時間、現実的な体力は壮年から老年へ足を踏み入れたのは事実。夢や理想に焦点を合わせられる視力などなく霞む世界を老眼鏡に頼る日々…。
仕方ないな…と諦めがつくのが50代半ば。減退した思考力のおかげで後悔の念すら頭の中で回らなくなる。
結果、身近な娯楽で自らを慰めるのだが、IT社会の進化によって入手できる情報が膨大に増えたおかげで面白いコンテンツがたくさんあることは有難い。
ところが、先日、めっちゃ面白い番組を観て、ふたたび老いショックが再発してしまった。
「あぁ…40年前にこれを観ていたらなぁ…」と深い後悔に襲われたのだ。
その番組が~↓↓コチラ↓↓
人生を決めかねないひと口目
大きな後悔のひとつ、学生時代「もっと勉強しときゃよかった」…とくに理系科目の物理は、最初から最後までなーんにも分からないまま卒業した(分からないでどうして卒業できた?!…そういう時代だ。笑)
初めての物理の授業。穏やかで淡々と話す先生の話は『ゆりかごの歌』より心地よく、最初から最後まで睡眠学習。テスト前に慌てて教科書を開くも何が何だかさっぱりわからず、自習じゃ全く追いつけず…。
自分は物理のセンスは全くない…という思い込みのままこの歳まで生きてきた。
が!!!なんと、この番組を観たらおもしろーいじゃぁあーりませんか~。
物理ってめっちゃ面白いのね!!(生まれて初めての感覚)これまで生きてきて、なんでこの面白さが分からなかったんだろう…。
思い返せば、物理の最初の授業で爆睡し、以降、全く分からないまま過ごしてしまった。
「分からない」と決め込んで向き合えば、そりゃあ理解なんてできっこない。
私の物理の授業が野村先生だったら…わたし、理系に進んでいたかも?!しれない。
何事も、出逢いの瞬間ってとっても大事だ。最初のひと口の味で食べ物の好き嫌いも決まっちゃうのだから。そういう意味で、人の運命は出逢いが大きく占めるのだろう…。
今さらなので娯楽として味わいます
番組では物理の基礎の基礎となるニュートンの第2法則『F=ma』について超面白く&分かりやすく教えてもらった。
なーんだ、そういうことだったんかい。テスト用紙の裏面に必死に覚えた公式を書き出して「これだけ覚えましたが使いきれませんでした」と書いて赤点回避した私は式の意味を理解していないから使いこなせなかったんだ。
野村先生の解説は以前から面白くて、出演されるいろんな番組を観ていますが、おかげで物理に対する抵抗、苦手意識だだいぶ減ってきた…気がする~。
とはいえ、しょせん私は文系脳。
教えてもらった第2法則の公式を「生きる力の公式」に当てはめたりして楽しんでいる。
F=maを以下に置き換えてみた。
F(生きる力)=m(基礎知識や学力)a(経験や思考の数)
我ながらいい導きだな…ふふっとほくそ笑んでいたら、家族に
「動画見て何笑ってんの~」と白い目。
ここまで生きてきて、いろいろな出会いと経験を経て気づいた公式である。
ちなみにここで示す(生きる力)とは、たくましさや努力、忍耐力などではない。
・「こんなもんよ…」とテキトーに諦めテキトーに開き直る力
・「なるようにしかならん」と風に身を任せる柔軟な対応力
・「これ、おもろいかも」と悲劇を喜劇に変える力
である。
年齢を重ねたからこその味わい方というものがあるわけで、ようやく辛酸を舐めた時の味が甘く変化するのだ。
▼▼▼最上川えつこのエッセイ『アラフィフ歌会始』▼▼▼
読んでみてね~♪
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