初秋

歯が痛むような秋の寂しさ

前触れもなくしくしくする

古い木造の廊下をひたひたと裸足で歩くような

ただ静謐で重い

ふと身を任せると

いつぞやの記憶を彷彿とさせる

匂いまでがして

どこに進んで良いのやら

迷い子のような心持ちになり

日暮れの風に身震いして

我に帰ると

鳥たちの帰る場所に

私も帰りたいと思う

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