刹那奏(せつなそう)

終点ですと

誰かの声が聞こえた

目を開けると

そこはもう

終着駅で

なんと見事だろう

満点の星空から

星たちは次々と落ちてきて

ちりんちりんと

可愛い音をたて地面にぶつかり響くのだ

あちらこちらに光を撒き散らすが

すぐに消えてしまうので

この手には掴めない

始発まではあとどのくらいだろうか

新たな出発などせずに

このまま星たちを

悼んでいられたらいい

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