転職エージェントのなり方

この世には星の数ほどの転職エージェントが存在する。彼ら彼女ら1人1人はそれぞれのバックグラウンドから、致し方なく、成長のために、お金のために、スキルを磨くために、スキルを活かすために、惰性で、など、様々な理由で働いている。

そんな彼ら彼女らはどのような経緯でもって転職エージェントになるのか。

⬛︎新卒で入社
この日本の雇用の防波堤である新卒採用で、対人支援やより成長できる環境というイメージでもって入社をしてくる。大手であると転職エージェント事業の部署に配属されないケースもあるが、そこそこの規模感であると転職エージェント事業に配属の前提で内定が出る。ほぼ何のスキルもなく入社できる1番早いタイミングはここなので、新卒の方は希望する場合、死ぬ気でチャレンジしてみることをおすすめする。

⬛︎中途入社
下記に該当する業界の経験者は、景気にもよるがおよそ就業経験が2年を満たせば即戦力に近しい判断で採用される傾向がある。

✳️キャリアアドバイザー
ウェディングプランナー、住宅営業、金融リテール営業などの【じっくり人の話を聞く】ということを前提とした仕事の経験者は採用される傾向が高い。個人、という感情100%の商談相手にはとにかく信頼されるしかない。その信頼のされ方の心得方では上記職種の右に出る職種はない。
※かつて占い師が採用されたケースを見たが、やはりその場で占ってはいさよなら、という仕事の仕方はキャリアアドバイザーには向かないため、早期退職したのを覚えている。

✳️リクルーティングアドバイザー
実はエージェント内には法人向けの営業と個人向けのキャリアアドバイスの舞台を分けているケースがある。このリクルーティングアドバイザーに関しては各社の本音を抽出すると【何でもいいから法人営業を経験していて欲しい】というところだろう。求人募集の情報を定期的に頂ける信頼感を築くことは勿論、その法人が本当に求めている人材を、時には人事に尋問に近しいヒアリングで言語化する、権謀術数を駆使する力も求められる。
その特性から、やや商品のスペックありきの営業経験者は苦戦を強いられることが多い。当然ながら活かせる経験はあるのだが、ベースの業務知識の習得には一定の時間を要する。一方、自身が元々いた業界をクライアントとするエージェントに入社する場合は、その限りではない。顧客先の慣習や平均的な組織形態、実際に働いた経験を鑑みた時、これほどに力になるものはない。業界に特化したブティック型、というエージェントが多数存在することもこのことが要因だろう。

⬛︎両手型
この法人、個人を両方担当するケースが両手型、両面型と呼ばれる形態である。基本的な求めるスペックはリクルーティングアドバイザーとほぼ同じである。何故かというと、全ての仕事の起点は法人からの求人情報の提供となり、個人側の対応はそのポジションにマッチ、あるいは可能性のある候補者のみの対応となり、ベースにリクルーティングアドバイザーとしての素質優先されるからだ。なので、スペックは上述の通りだ。

ここまで読んで頂くとわかる通り、エージェントになるにはそこまで高いハードルは無い。大事なのはキチンと業務を積んできた経験と、その中で実績を出すことだ。それさえあれば基本的に、どこかのエージェントには人間性に問題がない限りは入社できるだろう。※かつて知り合いのエージェントに話を聞いたところ、経験はどうでもいいのでいい奴だったら育てる、という粋なことを言う方もいた。

これだけ転職が市民権を得た時代である。特定の就きたい業界等が無いのであれば、一度は経験をし、キャリアアドバイスの経験という武器を手に入れることはこの時代、決してネガティブな道ではないことは、断言できる。ただし、30歳になる前までにはエージェントとして働き続けるかどうかを決めた方が良い。やはり、向き不向きがある仕事ではあると、これまで業界を卒業した人材を見ていると感じるところである。

10月20日、ポテナゲの安さに感動しながら記す。

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