他社で通用する唯一無二のスキル。

結論を申し上げよう。

他社で通用する唯一無二のスキル。それは【信頼を得る力】だ。

何故か。

ルールが全く違う各産業界においては、実は不変的に通用するスキルはない。ものすごく新規の営業に長けた人間が重厚長大系の製造業の営業に採用された途端、根回しばかりの社内営業の実態を目の当たりにし、みるみる憔悴していくようなこともある。それくらい、自身が培ってきたスキルが会社を変えただけで陳腐化することはよくあるのだ。特に重厚長大系の企業からベンチャーへ、ベンチャーから重厚長大系の企業へという転職の流れの中で、それが起こる。※厳密には、組織風土によって異なる仕事の仕方に慣れた結果、それ以外の仕事の仕方ができなくなる、ということになる。

つまり、【枝葉】ととらえられる状況適応型のスキルをどれだけ蓄えたところで、それは【どこでも通用するスキル】の元にはなっても、それ自体で【どこでも通用するスキル】にはならないのだ。

そうした時に大事になってくるもの。その【根幹】にあるスキルこそ、【信頼される力】なのだ。

なんだそんなことか。この話をするとそうした反応が出るのだが、自身の胸に手を当てて考えてみて欲しい。あなたは今日、誰かの信頼を獲得したと、自信を持って言えるだろうか。

実は、この問いに自信を持って答えられる人は決して多くない。それくらい、人は【目の前の人の信頼】に関し、無頓着であることが多いのだ。

優秀と呼ばれる人は、実は何かのスキルに長けているという事例は、当然あるはあるが、決して多くはなく、それよりも【人間然】として生き方をしていることにより培われた【信頼される力】が圧倒的に高いことが多い。

事例を申し上げよう。

27歳女性。彼女は一件何の変哲もない雰囲気を持った女性だが、事務職として入社後、新たなタスク処理の方法や社内用語など、1日で覚え切ったのだ。資料としては役30ページにも及ぶものだが、翌日から実戦投入されても少々の業務中の質問のみで済み、文字通り【即戦力】となった。

35歳男性。彼は営業のプレイングマネージャーとしての実績を買われ、社員百名弱のIT企業にマネージャーとして入社。そこで配下となる総勢30人にも及ぶ社員と個別面談をし、メールではなく手紙で【共に頑張ろう】というメッセージを1人1人にアレンジしながら伝え、月次で一人一人と定期的に面談をこなしている。

24歳男性。彼は一社目のブラック企業で、心身をすり減らされ、転職を決意した。新しい会社では初日から自ら同じフロアの数十名に挨拶をしに行き、座席位置と名前、話した内容などを克明に記録し、常にその情報をアップデートし続けた。

いずれの事例も社内の社員向けの動きにはなるが、果たしてこのレベルで相手の信頼を得ようとすることをしている人がどれくらいいるだろうか。言うまでもなく、彼ら彼女らは現在でも社内で一目置かれる人材として活躍し続けている。

結論を申し上げよう。

他社で通用する唯一無二のスキル。それは【信頼を得る力】だ。

10月19日、筋トレ前の武者震いを感じながら記す。

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