黒執事32巻 感想(バルド過去編メイン)

ようやくゲットしました、黒執事32巻。

考察は黒執事考察ブログの餅月さんが本当に精密な考察をされているので(感謝&尊敬)、そちらにお任せして....(?!)

ワイは何も考えんと普通に感想を書いていこうと思いますワ。(史実の考証的なやつはやるよ)



黒執事32巻、ほぼバルド過去編

バルド、なかなかハードな人生送るやん...
ひとこと、可哀想としか言えない。

バルドロイがアメリカ人というのは知っていたので、ああ、アメリカ人と言えば元を正せばイギリスからの移住者だよな...というのはなんとなく分かっていたけど。

アメリカという国は、成立当初は先住民(インディアン)vs白人入植者の争いが絶えないんですよね。

そもそも、アメリカという土地に勝手にやってきたイギリス系の移民(白人入植者)たちが、豊かな安い土地を奪って農耕し始めてるんで、そりゃあ先住民様も、他所から勝手にやってきた意味わからん人らに自由にされたら敵意剥き出しにはなるよなぁと。

バルドは「ひいじいさんだかひいひいじいさん」が最初の入植者ということで、いわばアメリカ人として4、5世代目ということになるんですが、

「(祖先は)信仰の自由を求めて(アメリカに)やってきた」、と。

ルーツはイギリスで清教徒(プロテスタント)でしょう。ワンチャン商工業者かも。

イギリスは17世紀ごろ、ちょうどバルドの曽祖父や高祖父世代の時代、イギリス国教会をゴリ押しして清教徒が虐げられる時期があり、彼らがアメリカへの入植者となっている背景があります。史実とリンクしてますね。

バルド家の家訓は「先住民への感謝を忘れるな」。

信仰の自由を求めて未開の地へやってきたバルドの祖先は、豆の苗などを先住民から貰っているらしいので、先住民たちから持ち前を分けてもらっている、なんていう感覚があったんでしょう...

感謝の心は憎しみに
しかし、バルドの人生に暗雲がかかります。

ある日、家に帰ると家は燃やされ、妻も子供も撲殺?されてしまっていました。

犯人は先住民...

バルドは下手人の先住民を見つけると、憎しみのあまり撲殺してしまうのです。__________

___________史実を見てみると、アメリカはこの頃インディアン戦争の真っ只中と言えるでしょう。

そもそも入植当時、いわゆるバルドの高祖父世代でも、入植者と先住民達の小さな争いはあったようなのです。ただ、先ほどのバルド家の家訓で言われているように、それは“共存”という認識が前提でした。

しかし、時代が下り、(おそらく作中で)バルドの世代では、入植者が先住民の土地をほとんど奪い、いわゆる入植者の、白人系の文化に同化しない先住民と戦いになったり、土地を奪われた先住民が抵抗して戦いになった場合も多く見られたでしょう。

先住民はやがて迫害され続けて消滅させられる一途を辿るのですが、黒執事ではその中盤の時代が描かれているような状態ですね。(泣)

家族を失って、バルドは自分の幻想に気付きます。

入植者4世ぐらいのバルドは、入植は夢の地での新たな人生、開拓によって豊かになれることを正義だと捉えていましたが

それが先住民の立場になれば、ただの侵略行為に他ならないこと。

自分らは彼らにとって憎き侵略者でしかないことに気づいたんですね...

しかし、バルドが悪い訳でも家族が悪い訳でもない、ましてや先住民は。

頭で理解は出来ても、愛する家族を奪われた憎しみは、抑えることが出来なかった...

このバルドの過去編では、バルドが死を正しく恐れることのできる唯一の人物であること、つまり普通の人間であるという面が強調されていますが、

家族を失った憎しみから、(おそらく)インディアン戦争を転戦し、そこに憎しみをぶつけているという点からも、バルドの人間らしさを垣間見ることができるような。

それこそ、家族を失った憎しみから動いている訳ではない坊ちゃんとは対をなす人間と言えるでしょうね。

いや。とはいえ、私から見たらバルドだってスーパーチートなイケオジなんだけどな。笑

おわりに

バルドロイの過去編が多かったので、インディアン戦争や清教徒の入植者という史実目線を交えた感想になりました。笑

ここら辺は専門じゃないからなんとなく〜だったけど、黒執事は世界史を頭に入れて見ると2、3倍は面白くなる作品です。

あとは葬儀屋を推せば1000000倍しんどくなれます。(?)

という訳でここいらで筆を下ろそうかな。

p.s.セバスチャンて理路整然としてるけど、やっぱりアグニと違って人に教える過程を踏むのが苦手だよね。スパルタ多めだなって、今回読んでて確信したわ。笑

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