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出産時のはなし④~禅と半魚人~

一回家に帰ったものの、陣痛がひどくなり、もう一度病院に行く事にした私

病院に着いて分娩用の入院着になんとか着替えた
心配そうな夫はいきみ逃しの為に尻を押したりしてくれているが
押してほしい場所と強さが違う…

説明しづらいがインドとインドネシアくらい違う…

「もうちょっとココらへん押して」っていうのも説明する元気もないので
とりあえず断って一人で耐える事にする

腹全体に圧力がかかって、便意に似た強烈な痛みの陣痛が断続的に続いた
姉のいうトラックとまでは言わないが、結構な圧力と痛みだ

自分で部屋に備えつけてあったテニスボールで尻を押してみるものの、
陣痛がくるとどうしてもいきんでしまう。
こんな痛くていきまないとか無理じゃろ!!と思うが
お産が進まない内にいきむと骨盤と赤ちゃんの頭が当たって危険らしい


夕方になって面会時間がすぎると、旦那も帰ってしまった。
生まれそうになったら夫に連絡が行って間に合えば立ち会ってもらえるそうだ。

助産師さんも朝とは違う人に交代になっていて
気づけば私の両隣の部屋では他の妊婦さんたちがウンウン唸っていた。
とにかく雑誌で覚えたいきまないポーズを色々とってみたものの
どれも陣痛が来ると思ったようにいきみ逃しができなかった。

なんやったんや、あの出産前のいきみ逃しの練習は…(怒)

色々試行錯誤を繰り返しているうちに
座禅のポーズが一番いきみ逃しができる事に気づく

様子を見に来た助産師さんによると、実はこのポーズ、お産が進みづらいポーズらしい。
それを聞いて愕然としてしまった…。
お産が進むには、やはり雑誌で紹介されているポーズが良いのか…と思って頑張ってやってみて耐え続けた

その後、深夜にはもっと陣痛の間隔が短くなってきていた。
陣痛MAXでおかしくなった脳内で昔「ごっつええ感じ」のコントで
「産ませてよ…」と迫る半魚人の松本氏のネタがあったな…と思い出した、まさに今の心境…!

自分もコントの半魚人みたいに腹を痛がっているなと考えたら
ちょっと笑えてきた。(痛みでテンションがおかしくなっていたのかもしれない)

こちらも半魚人と同じく産ませてもらえるもんならいつでも産ませてよ!という気持ちなのだが
子宮口はなかなか開かず、時間だけが過ぎて行った。
他の妊婦さんはいきみ逃しがうまく行かず、早めに産ませてもらっているようだった。(今考えたら、もっと痛がれば早めに産ませてくれたのだろうか?謎です、当時は痛すぎて逆に笑ってたので隣の妊婦さんは気味悪かっただろうな)

残酷な事に陣痛時も尿意はある、自力でトイレには行かなくてはならない。
廊下つたいに歩き、陣痛が起きそうになったらいきみ逃しのポーズをとって耐えつつ
なんとかトイレにたどり着き、排尿後また部屋に戻ろうとした廊下で
不意打ちの陣痛にいきみ逃しのポーズが間に合わず、ついいきんでしまった。

すると尿は出したはずのなのに尻からジョバーと水が漏れでてしまったのだ

失禁か!?と思いきや、駆け付けてくれた助産師さんによると羊水がでてしまったらしい。
20歳を過ぎて尻から水を垂れ流して人に見られるのが非常に情けなかった。
(今考えたら失禁かもしれないのに動じなかった助産師さんはすごいなぁ)

娘との旅行記の資金にしたり イラストイベントの参加費とかにしようかと…