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mofi|映画ニュース

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映像全般の新しいニュースを順次ピックアップしていくスポットです。過去に取り上げた記事も、適宜とりまとめていきます。
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記事一覧

米アカデミー賞、条件変更で困るのは誰? | 今日の映画ニュース

アメリカ映画界で最高の栄誉とされる「米アカデミー賞」の選考条件が2024年から変更される。運営団体である「映画芸術科学アカデミー」 が22日、発表した。 日本映画も『ゴジラ-1.0』(視覚効果賞)と『君たちはどう生きるか』(長編アニメーション賞)で栄冠に輝いた賞だし、内容が気になる。 結論を言うと、ポイントはシンプル。そもそも選考に含まれるための条件が厳しくなり、コロナ禍の特別措置も排除された。これはちょっと辛い話。 一方、アメリカ国外で作られるアニメーション長編作品が

巨匠監督の最新作の行方と現代ハリウッド病 | 今日の映画ニュース/コラム

ショービジネスに花咲くハリウッドはいま、持病が悪化している。脚本家組合と俳優組合のダブル・ストライキを経てもなお、ビジネスマンとクリエイターのあいだの溝が埋まらないのだ。そんな病からあらわれる症状が、このところ、ある巨匠監督にまつわる報道からよく見えてきている。 『ゴッドファーザー』『地獄の黙示録』で知られるハリウッド映画界の巨匠、フランシス・F・コッポラ。かの大監督の周囲がいま、騒がしい。 渾身の最新作『メガロポリス』 渦中の話題は、続報が待たれる彼の最新作『メガロポ

花ざかりの日本IPたち | 今週の映画ニュース

2024年4月、第2週目。春来たるアメリカ西海岸から、目ぼしい映画ニュースをまとめてお届け。みなさん、お久しぶりです。(小原より) 【北米興収:4月2週】ゴジラ2冠、追随のインディ2作は明暗分かれる『ゴジラ x コング:新たなる帝国』が2週連続首位をキープ。AppleTV+で配信中のゴジラの怪獣ドラマ『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』もシーズン2に青信号が灯ったと報じられたばかりなので、今後も日本原産の怪獣ユニバースは広がる見込み。 次に目立つのは初登場の2作で、

スーパーヒロイン、躍進。 | 今週の映画ニュース

【興収:3月第3週】『キャプテン・マーベル』アメリカ国内$200M突破で首位3月公開作品では『美女と野獣』に次ぐ成功規模を記録している。2位はパラマウント配給のアニメーション映画『Wonder Park(原題)』で、次いで3位にはCBS Filmsとライオンズゲート製作の『Five Feet Apart』と続く。前者の批評家受けはすこぶる悪いが、スター俳優たちが勢ぞろいする豪華作。後者はターゲット層には受けの良いロマンティック・コメディ作品として成功している。(O) 【社会

興行に春来たる | 今週の映画ニュース

日本でも今週公開のスーパーヒーロー大作が、女性主人公の活躍で大好調。映画(というより映画賞)のあり方にも疑問が投げかけられた一週間。(掲載:第240号 2019/03/11) 【興収:3月第2週】『キャプテン・マーベル』$153Mの大ヒットスタートで首位獲得2019年の停滞気味の興行に春一番が吹いている。海外でも$300Mを超えるスタートをきった『キャプテン・マーベル』は、マーベルシリーズでは初となる女性主人公の物語で時代精神にも合っており、強い興行を進めている。マーベル・

ドラゴン、天使よりも高く | 今週の映画ニュース

「今週」といっても、時間差での更新になったので「おさらい」の感覚で。(掲載:第239号 2019/03/04) 【興収:3月第1週】『ヒックとドラゴン3』が全世界$375Mで飛翔 マデア最終作は2位で$27M『ヒック』は2週目にして国内$30Mの好成績。累計$97Mにくわえ、中国を含む諸外国で好調を記録している。2位はタイラー・ペリー主演・監督フランチャイズにしてシリーズ最終作、11本目の『マデア』タイトル。そのほかの初登場作品に比べればすこぶる良い出来の作品だ。オスカー受

低空飛行も「天使」が舞う | 今週の映画ニュース

漫画原作のハリウッド大作が、予想を上回る成績。ただ、北米の2019年の興行事情の雲行きはすでに怪しい。(掲載:第237号 2019/02/18) 【興収:2月第3週】『アリータ:バトル・エンジェル』予想に反して好調 しかし2019年興行は鈍く ジェームズ・キャメロン製作、ロバート・ロドリゲス監督、そして木城ゆきと原作のSF大作『アリータ:バトル・エンジェル』の事前のトラッキングは散々だったが、実際に公開されてみると予想を上回る$41.7Mを計上。面目躍如の1位を勝ち取った。

アメリカ社会を写す鏡? 精彩を欠いたスーパーボウルの週末 | 今週の映画ニュース

スポーツの祭典が開催された日曜夜。興行はというと...あまり芳しくはないようだ。(掲載:第236号 2019/02/04) 【興収:2月第1週】『ミスター・ガラス』3週連続1位も、スーパーボウル興行は過去19年で最低水準『ミスター・ガラス』は$9.5Mで1位、『ジ・アップサイド』は$8Mで2位、今週全米公開となったアクション・スリラー『Miss Bala』は$6.7M で3位と、興行で$10Mを記録する作品は一本もなく「涸れた」週末となった。アメフトの一大祭典であるスーパー

賞レース真っ只中! SAG、サンダンス、アカデミーを追え | 今週の映画ニュース

あと一ヶ月、映画賞に次ぐ映画賞が発表され尽くします。ゴールとも言うべき(?)オスカー像にたどり着くのはどの作品か?(掲載:第235号 2019/01/29) 【興収:1月第4週】『ミスター・ガラス』2週連続一位獲得も新作2本大不発 眠れる週末興行M・ナイト・シャマラン監督のユニバース的一作『ミスター・ガラス』が、$18.5Mから$19Mを獲得して一位。しかし数字は決して大きくない。新作では批評家受けが悪くない『The Kid Who Would Be King』が$7.15

正月気分を吹き飛ばせ!3週間分を一気振り返り | 今週の映画ニュース

1月初週からの北米興収をおさらいしつつ、各方面で主だったニュースを抽出。まとめ要素の強い「肉厚」な記事を取り揃えました。(掲載:第234号 2019/01/21) 【興収:1月第3週】キング牧師誕生日の週末、『ミスター・ガラス』が$47Mで首位M・ナイト・シャマラン監督の最新作であり、『アンブレイカブル』『スイッチ』に続くスーパーヒーロー三部作の終章にあたる『ミスター・ガラス』が予想通り1位を獲得。『最強のうたり』のアメリカリメイク作品『ジ・アップサイド』も2週目ながら$1

【全リンクまとめ】2018年ニュース総集編

ご無沙汰しております、mofiです。 年末から新年にかけて月曜祝日が続き、noteでの更新が休止状態となっておりました。「更新が止まったぞ!?」とご心配になられた方もいらっしゃるかと思います。ご迷惑をおかけしております。 もちろん、休刊しているわけではありません。といいつつ、昨年の総まとめに時間を費やしていたことも確かです。 お気付きかと思いますが、noteの無料枠で、年末年始を通して、トピック別のニュース総集編シリーズを掲載させていただいています。今号は、こうしたこと

【ムービーパス編】2018年ニュース総集編

2018年のニュース総集編の中でも、この「ムービーパス編」はオマケのようなものだ...が、決して看過してはならない重要性も潜んでいるので要注意だ。 「ムービーパスとはなにか」について、あるいは「ムービーパス」の2018年上半期までの詳細な動き、そしてそれらのデータから導き出せる回答については、以前掲載したコラムを参照のこと。 ムービーパスはハリウッドを救えるか (掲載:mofi 第211号 2018/06/25) あれから半年が過ぎたが、ムービーパスはまだ生き残っている

【ダイバーシティ編】2018年ニュース総集編

「多様性=ダイバーシティ」もまた、2018年を代表するキーワードへと上り詰めた。これは「#metoo」の急速な浸透とも無関係ではない。女性の権利回復への第一歩がようやく踏み出されたのに合わせて、人種やLGBTQ層への理解の裾野も実体化し始めた。 『ブラックパンサー』『クレイジー・リッチ!』の興行的・批評的成功は、そんな傾向を強力に後押しした。年始では『リメンバー・ミー』が賞レースでも勢いを見せつけ、「多様性を押し出した作品は、作品の質だけでなく、数字でも強い」ことを証明して

【興行収入編】 2018年ニュース総集編

2018年は、アメリカの劇場主たちにとって喜ばしい一年だった。『ブラックパンサー』『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』『クレイジー・リッチ!』『ジュラシック・ワールド/炎の王国』など、大作映画が着実にホームランを放ち、客足を途絶えさせることがなかった。 低予算映画でも『クワイエット・プレイス』やドキュメンタリー映画『Won’t You Be My Neighbor?(原題)』『Three Identical Strange