友人M

先日、仕事の昼休みに先輩たちと東京丸の内へランチをしにいった所で急に肩をたたかれた。「お久しぶり。」顔を見たら大学の同級生で大変驚いた。彼とは大学で同じゼミに所属していたから顔馴染みであったのである。彼と会ったのは卒業式以来、年月はさほど経っておらずいささか早い再会であった。しかしこのタイミングで会ったからこそ、深く感動したように思うのだ。5月のちょうどこの時期、社会人として生きる事に慣れはじめた時期である。まるで以前の自分と今の自分が連続していないように感じられる不安定感を誰もが多少感じるのではないだろうか。だから、彼との再会は僕の人生に連続性を感じさせて安心を与える人生の喜びであった。
高尚っぽいことを言うのはよそう。僕は俗っぽいから、彼とこの場、丸の内の洒落た飲食店で会えたことが嬉しいのだ。そういうことにしよう。
 僕らの時代はSNSがあるから、いつでも互いに連絡が出来てしかも何をしているか知ることさえできる。大学を卒業したら今生の別れ、二度と会う事がないと知りながらまた会おうなんて殊勝なことを言ってみるようなシーンも滅多に無い。しかし、互いの人生を歩んでいる個人が道を進んだ先にまた友と出会うこと程心が動く事もまた無いと感じた。これからの人生にこのような出来事が多くあること、また、より大きなスケールでそれが実現せられることを祈る。

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