BSスペシャル 「ジャパニーズ・ドリーム〜ネパール人留学生たちの日本〜」

獏は夢を食べる生き物だと言われている。
もし、そうだとすれば、日本社会は一匹の巨大な獏なのではないか?
アジアの発展途上国の若者たちの夢を食らうことによって生きながらえているのだから。/

貧しい国に生まれた彼らは、日本に来るために多額の借金(番組で紹介されていたケースでは170万円で、これはネパールの公務員の最低年収の6年分にあたるという。)をしてくる。/

【日本に来てから 睡眠を売って夢を買うということを知った】/

留学生には、週28時間までのアルバイトが認められているが、なかには借金に追われ働き過ぎてビザの更新を止められる者もいる。

【日本は私の夢を殺した】/

大学まで進んだ一人の青年は、働きすぎたためビザの更新を却下された。
追い詰められて、自殺を選ぶ若者も絶えない。/


《バイデン氏は1日、「我々の経済が成長している理由の一つは、移民を受け入れているからだ」とした上で、中国やロシアとともに日本やインドを名指しして、経済成長を阻害する要因として「外国人嫌い(xenophobic)だからだ。移民を望んでいない」などと発言した。》(2024年5月3日、朝日新聞デジタル)/


日本に留学して大学を卒業しながらも希望の就職先が見出せず、最終的にはカナダに移住して、大学院で修士号を取り、エンジニアとして希望の会社に就職したアリシャさんは語る。/

【日本にいた時 外国人として いつも思っていたことは 仕事に対する要求は高く 賃金は低い (略)日本語学校を出て 大学の学位も取得した でも私の居場所はない 私は日本経済に貢献しただけ 日本社会は私を認識していない 私は日本が大好き 文化や食事 日本の人たち‥‥本当に日本が好き(略)でもそのことが日本に定住する助けにはならない】/


定住を目指して息子を呼び寄せたナラヤンさんは、外国人労働者を派遣する会社で働いている。/

【宅配会社の倉庫では450人以上のネパール人が一晩中働いているよ 品物を仕分けして家に届くように作業している 物が届くまで一晩中誰かが働いていることを 日本のみなさんは知らないと思う 届くまでの大事な仕事をネパール人はやっている ネパール人留学生は 家族の絆と睡眠を犠牲にしながら 日本社会に貢献している】/


日本のことが大好きで日本に来た若者たちが、最終的に日本に見切りをつけて他国で生きることを選んで去って行く。/


【何故に斯くあらねばならぬのか】(安部公房『終わりし道の標に』)


https://www.nhk.jp/p/bssp/ts/6NMMPMNK5K/episode/te/QPK9M21JZG/

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