桜庭一樹『小説という毒を浴びる 桜庭一樹書評集』

なんだか最近疲れている。
とにかく、薄くて軽い本を読もうということで手に取った。/

表紙の絵が、いきなり乙女チック!
薔薇の花が咲き乱れる中に、中央にそびえ立つ瓶に寄りかかって、二人の少女が読書している。
色彩は薔薇の花のピンクと、一人の少女のワンピース(だと思うのだが)の赤と、もう一人の娘のツーピース(かな?)の緑。
帯で取り上げられている小説の題に「少女」が入っている本が、『聖少女』に始まり五冊。
今回も明らかに「誤配」だ。
ネットで買っていると、ときどきこういうことが起きる。
まあいいか、『イシドロ・パロディ』もいまいちだし、なにせ自重だけで積載量オーバーなんだから、この際軽けりゃ軽いほどありがたい。/

桜庭さんには『桜庭一樹の読書日記』以来、大変お世話になって来たのだが、なんだか少しだけ遠い人になってしまったような気がした。
たぶん、僕の方がここ十年ほどで急激に歳をとってしまったせいだと思うが。/

とりあえずは、面白く読んだけれど、高速道路で後ろから赤や青や黒の車が近づいて来たら、追い越し車線から走行車線にさり気なく避難するように、これからは本を買うときに装丁の色使いにも注意して買うようにしたい。/


【さて、これは、一ファンとしての私見だけども、探偵小説にはまず優れたキャラクター小説であってほしい、と思う。】(「どるりーれーんにおどろいた。」/


「綿矢りさ✖️ 桜庭一樹 至福の読書体験」:
夫人ものの最高傑作は:
【綿矢 (略)ナボコフの『ロリータ』とデュ・モーリアの『レベッカ』が大好きなんですよ。
 桜庭 (略)
 綿矢 (略)すごく不思議なのが、ここに登場する少女が本当にあほな子に書いてある(笑)。ロリータが書く手紙も、「パパごきげんいかが。あたしは結婚したの。子どもが産まれるからお金を送ってください」みたいな、すごく蓮っ葉でけだるい感じで表現されているんですよ。(略)でもナボコフは、身体的なことばっかりですごく表面的な感じ。こんなに分厚い本なのに、そこに書かれているロリータの薄さにいつも驚愕するんですよね(笑)。

ー中略ー 

 綿矢 (略)そう、おじさんが勝手に上から目線で幻滅を繰り返す(笑)。そういうところにすごく引っ掛かりを覚えて、この本とずっと喧嘩しているような気がします。でも読み返すとすごく面白いですし、印象に残る一冊ですね。】

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