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デザイナーとみる、LayerXのオフィス移転プロジェクト

こんにちは! すべての経済活動をデジタル化したい、chibakun(千葉百枝)と申します。SaaS、Fintech、AI・LLMの3事業を展開する株式会社LayerXで、BXデザイナーをしています(BX=Brand eXperience)。
媒体問わず、プロダクト、マーケ以外のいろんなものをデザインしており、このnoteでは、5月20日に実施したオフィス移転の裏側をデザイナー視点から紹介します! 

どんなオフィスになったのかは、本日公開の 941::blog にて!

IT業界に足を踏み入れた2013年から拝見していて、うおおお素敵なオフィス! ここも素敵! いつか載ってみたい…あこがれ…と思っていたので、まさかこんな日が来るとは!とそわそわしています。



プロジェクト概要

移転プロジェクトが動き始めたのは昨年2023年6月ごろ。私は当初からオフィスUX・デザインリードとしてプロジェクトに入りました。8月のブランドリニューアル〜初期浸透を終えてからは、オフィス移転をメインミッションに持ち、今日まで走ってきました。

メインメンバーは3名で、それぞれの得意分野のボールを持ちつつ、先方とのやり取りは担当範囲のものを請け負うという形で進めていました。

予算・交渉担当:CFO 渡瀬(@watase
システム・機材担当:コーポレートエンジニアリング室 篠嵜(@helosshi
オフィスUX・デザインリード:BXデザイナー 千葉(@chibakun

思えば3人は少なかったな…結局色んな方に臨時お手伝いをお願いしました

私からは、デザイナーらしく「デザインしたもの、つくったもの」をベースに、時系列順に経験と学びを共有します!(一部同時に進行しているもの/非公開資料があり、ファイル内の日付が前後していますがご容赦ください)

夢を描く

まず初めに、どんなオフィスにしよう!? と妄想を膨らませることから始めました。この頃にはビルの要件等も決まってきますが、まずはキャップをつけずにいろんな夢に思いを馳せました。

最初に、みんなの意見を聞いてみる

まず初めに、オフィスの課題を集めるDBをNotionで作成しました。

全要望数はなんと82件(社員数約200名)! 「わかる」は331回押された。全てに目を通す
要望だけ聞くと今のオフィスでgoodなところが抜けてしまうので、こちらも確認
別途、職種ごとのOpenDoor(わいわいオンライン会)も開催。素朴な疑問や「ちょっと言いにくいんだけど…」に答える場として設けた

定義と期待値のすり合わせ

前提、オフィス移転は事業に資するものであり、どんな環境であれば事業に対してプラスになりえるのか、インナーコミュニケーション、アウターコミュニケーション、生産性、ランニングコストなど、多様な角度から目指す姿を検証していきました。

まずオフィスUXとは何かを分解、定義し
ここまでは行きたいですよという合意形成。LayerXらしさを感じるところまで行きたい!
社員の要望、今後の事業計画、目指すオフィスUXを合わせたコンセプトを策定し、何度も壁打ち
チームで現存する他社オフィスをマッピング。「今回の移転でどこまで目指すのか?」を決める
何度もコンセプトを叩きます。この資料では、「我々はどうありたいか」と機能・体験を確認

パートナーさんを決める

次に、オフィスデザインと施工のパートナーさんを決めていきます。

パートナーオリエン

今回の移転プロジェクトでは、4社のパートナーさんにコンペにご参加いただきました。当時入居していた人形町のビルにお越しいただいたり、パートナーさんのオフィスにお邪魔したりと、意思決定までに多くの時間をいただきました(ありがとうございました!)。

アップデートを繰り返したオリエン資料は、ver3.0に

どのパートナーさんとやらせてもらうか

4社のご提案を、一案ずつしっかり比較検討する
パートナー各社提案、および市場調査から、費用面での妥当性の検証。経営会議にかけて承認をもらう

どのパートナーさんも強みと特徴があり、非常に悩みました。残念ながらご縁がなかったパートナーさんも、一部家具の発注でご一緒させていただいたり、新オフィスができた後にお越しいただく約束があったり、移転当日にお祝いのお言葉をいただけるなどして、今でも関わりを持っていただいています(ありがたみで震える)。

無限ループ仕様決め

今回の移転プロジェクトでは、DRAFTさんにお力を借りることとなり、コンペでいただいた提案をブラッシュアップしていきます。

いただいた案をメンバーで精査して、コメントをつけまくる

空間の仕様、ソフト面(システム、目に見えないもの)、ハード面(家具、機材)、Visual Identityとの接続。
およびビル仕様、消防法、避難経路などとの兼ね合いでできること・できないことがあり、ひとつひとつ相談しながら仕様を決めていきました。

Aを変えるとBも変わり、Dまで決まったかと思いきやBまで戻る…といったことを繰り返し、本当に根気強く伴走していただきました。

細かいリクエストが多く、ずれがないようテキストのやりとりではなく、誰もが見てすぐにわかる状態が良いと判断し、これらの資料の作成も担いました。

繰り返される質問と回答のやりとり(n回目)
家具リストや造作図に関しても要望をお送りする
並行して、具体的な数の変化も合わせて社内コミュニケーション(中間報告)
VIとの接続に関する要望書。8月にブランドリニューアルをしたばかりで、立体に関しては探索中だったのもあり作りながら決める状態に(ご迷惑をおかけしました)
エントランスのサインをどの仕様にするか。肉眼で見た時と、写真で見た時の仕上がりが違う。唸りながらもTech感があるネオンに決定
最後の方は1回のやり取りで複数の資料チェックをするsuper祭り具合
家具以外のすべての仕様が決まったタイミングで、ようやく工事の発注ができる。実際に職人さんが施工を始めてくれる様子

家具発注祭り

壁を建てたり電気を通すという工事周りの意思決定を優先していたため、怒涛の家具発注祭りが始まります。

大量に発注する机やモニターアームは、実際に組み立てて使い心地をチェックをする温かみのある進行(CFO渡瀬もドライバーを握る)
家具リストへの要望は直接書き込む形に。個数のチェックも大変…!
既存の家具をどこにマッピングするか?の資料

今回の移転では(おそらく次回の移転があったとしても)コストダウンと環境配慮のため、使えるものはなるべく使おう!という意識で、旧オフィスの家具、家電類をかなり転用しています。
これらの状態、個数確認とマッピングかかなり重たく、トンマナから外れた家具は利用頻度が低いエリアに配置するなどの工夫を行いました。

今、何のディスプレイが何個ある? どこに置く?
セミナーエリアを効果的に使うための、家具レイアウトパターンを考える

時間の許す限り施工確認

家具の発注が完了し、息をつく暇もなく現場の確認へ。
何度もパース図、レイアウト図面を出していただいたのですが、短い期間での施工&大量のやりとりで双方漏れてしまった仕様等があり、実際に足を踏み入れて見てみるとイメージや利用用途と異なる点が多々ありました。

壁などが出来上がりはじめると早い! 2週間ほどで足を踏み入れられる状態に。プロはすごい
「何もないオフィスは今だけ!」と社員総会を工事中のオフィスで行うことに

新しいオフィスを楽しみにして欲しかったので、工事予定がないエリアを総会に活用。DRAFTさん、及びビル管理会社さんに調整のご協力をいただきました。

椅子を持ってきてくれたメンバーも
こ、こんなに人はいるんだ…!?

撤収作業が結構大変で、30-40の有志が最後まで残ってくれました。申請していた消灯時間ぴったりに片付けが終わったのもいい思い出。

5月の頭には居抜きエリアに家具が入りはじめる
このスレッドでは8つのポイントについてご相談。ただ施工が終わっていないだけのものもあったので、焦りは禁物だったなと反省

間に合う範囲で調整、修正の相談をします。
図面上にはあるはずの壁がないことに気づいた時は、「まさか!?」すぎてパートナーさんと顔を見合わせて笑ってしまったことを覚えています(笑)※もちろん、その後しっかり建てていただきました。

これらも写真を撮り、写真の中に直接書き込む形でズレが生じないようコミュニケーションを続けていきます。

こちら側からの連絡が漏れており、工事がバッティングしてしまう場面も…
面が広いカーテンなどは、サンプルのイメージと実際のズレが大きかった(対策は相談中)。

オープンできる状態にする

並行して、引越し&移転後のオペレーション構築に進みます。

ルーム名、エリア名の正式名称を決める(メンバーと連携しシステムにも組み込んでもらう)
コーポレートフォントをどうしても使いたかったので、会議室名データを自分で作成する
社内で使われているスタンプを右下に。一番大きい会議室は「BIG感謝」!
初導入したチームロッカーの配置と配分。みんな柔軟に使ってくれています!
お引越し先の場所の指定。モニタの配置指示が細かく恐縮(引越し屋さんに頑張っていただきました…)
引き渡しのタイミングで撮っていただく竣工写真の指示書
マニュアル類の作成も忘れずに(ぜえはあ)

この頃にはプロジェクトメンバーは「あれ」「あの話」くらいで何を指しているのかがわかるようになり(笑)明らかに脳が繋がっている感じがありました。

祝・引越し&オフィスオープン!

朝イチから搬出、夜になんとか完了! この辺りはかなりハイになってました。
こんなオフィスになりました

みなさんの声

LayerXには日報を投稿する文化があるのですが、めちゃくちゃ嬉しい反応をたくさんいただきました! しかし当日は体力が0で、全部にスタンプを押したかったけどできなかったのが悔やまれます…

めちゃくちゃ嬉しかったです。宝スクリーンショットに認定
自然な交流が生まれている、いろんなチームが混ざり合って座っている。目指していた状態なのでとても嬉しい!
出社したくなる! コンセプトをまっすぐに実現できて嬉しい!

個人的にも「今の自分にやれることは本当にやりきった…」と思っており、めちゃくちゃしんどくて、めちゃくちゃたのしくて、最高の仕事ができました! 随時アップデートしているので、まだまだやることはありますが、お疲れ自分!とセルフ褒めをしています。
かなり詰め込んだので、終了後即5連休を取りました笑(チームのサポートに感謝!)

5月末には新オフィス初の社内イベント乙カレー会を開催! カレーを盛る両代表

うまくいった要因は?

プロジェクト進行面

  • プロジェクトメンバー3名(CFO、コーポレートエンジニア、デザイナー)の責任範囲と得意領域が明確だった

    • 「そこに関しては、君が言うならOK。そうしよう!」でGoできた

      • この心理的安全性があっため、UXの範囲、ブランド表現については絶対に妥協しない。最高の選択をして、説明責任を果たす! という思いで臨めた

        • 二人をめっちゃ尊敬してますし、このチームじゃないと無理だった…まじで…と常々思ってます

  • オフィスプロジェクト注力を周囲に話し、理解し、複数チームから支援してもらっていた

    • BX分野の制作物をコミュニケーションデザイン(マーケ)チームがフォローしてくれたり。感謝しかないです… 𝓁ℴ𝓋ℯ

  • 経営メンバーがプロジェクトメンバーに文字通り「お任せ」してくれていた

    • 冒頭の予算とコンセプトの合意以降は、プロジェクトメンバーに責任と裁量を丸っとくれていた

      • CFOの渡瀬さんがメンバーに入っていてくれたのもスムーズに進んだ要素

予算面

  • オフィスに求めるもの、予算をかけるバランスなどがプロジェクトメンバー内でしっかり擦り合っていた

  • 居抜きによる大幅コストダウン

    • 株式会社CARTA HOLDINGSさん、細かいところまでご協力下さりありがとうございました!

    • 居抜き箇所の工事は最小限に。「あれもこれもやりたい!」というLayerXメンバーをDRAFTさんが何度も説得してくれました…(多謝)

気持ち面

  • 誰もが、「出社したくなるオフィス」にするというテーマをずっと心に持っていた

    • 多様な人が多様に働ける空間、家具、隣接するエリアの設計

      • 座りたい人も、立ちたい人も、静かに集中したい人も、ワイワイ仕事したい人も!

  • 中間の選択をしなかった

    • 「めっちゃやる」か「今回はやらない」か

      • パートナーさんの選定においては、コストバランスの良い会社さんもあったが、これまでと大きく変わったオフィス体験にしたく、デザイン面に最も比重を置いた

        • DRAFTさんのクリエイティビティのおかげで、「LayerXでしかない唯一無二のオフィス」になりました!

この記憶を持ったまま、もう一度やるなら?

大きな経験をさせてもらった時は毎度これを考えてるのですが、

  • 「ここの家具はなくても良かったな」「この家具足りなかったな」、というのはいくつかあります。足りない分は後で発注できるので、少し足りないくらいでいい

  • 照明スイッチの区分や照明色の調整はすごく大事。今回は居抜きのエリアもあることでやりませんでしたが、ここは時間とお金をかけてもよかったなと思うポイントでした。

  • カーテン、床など面積が大きいものは、かならず近しい面積の施工例かつ、実際に目で見ること。同じフロアタイルを使っている他社さんを見せてもらうなど、建材メーカーさんが用意してくれているサンプルだと実際のイメージとのズレが大きいものもありました。

  • Ops側で言うと、超祭り感があって楽しい&2-3年に1度のプロジェクトなので、一部でも、もっと色んな方に参加してもらうと良かったかもなと思ってます! 壁を破壊するとか、壁を塗るとかもやってみたかった!

こういう大型のモニュメントは移転の時にしか組み込めない。次はやってみたい! (Figma, Inc.)

以上です、ここまで読んでくださりありがとうございました。
あ〜 楽しかった!

BXデザイナー仲間のKensakuが撮ってくれました。たのしそ〜!

実際のオフィスを見てみたい方へ

ぜひLayerXが主催している交流イベント、Casual Nightにお越しください。定期的に開催しています◎ 7月、8月のものはまだ募集中なのでぜひ!

招待制のイベントということでちとドキドキするかもしれませんが、X(旧:Twitter)ほかSNS経由でお気軽にメッセージをください。

LayerXは、仲間を大大大募集しています!

オフィスも移転し、多様な働き方ができる環境が整ったということで、これまで以上に多くの仲間を募集中しています! 中途・新卒・ビジネス職・開発職・コーポレート職問わず、3事業部で、双方マッチする方とお会いしたいと思っています。

ぜひご興味がある方はカジュアル面談から、お時間をいただけると嬉しいです!ありがとうございました。


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