妊娠がわかった日
わたしは看護師になるのが夢でしたが、何よりもの夢は、「お母さんになること」でした。
小さい頃から、子どもが好きで、年上よりも年下の子と遊ぶのがすきでした。
近所にいわゆる大家族が住んでいて、わたしより年下の子たちがたくさんいたので、よく抱っこさせてもらったり、あやしたり、小さいお母さんのようなことをさせてもらっていました。
なかなか母性に溢れた学童期でした 笑
なりたい職業は看護師でしたが、人生の夢は「お母さんになって、幸せな家庭を築くこと」でした。今もそれは変わりません。
幸せなことに20代半ばからお付き合いしていた人と結婚することが決まり、わたしとしては「結婚したらすぐ子どもがほしい!」と思っていました。
夫は、物静かな大人しい、でも可愛らしい人です。
夫は大の子ども好きというわけではないですが、結婚後すぐに子どもを作ることには賛成でした。私たちが付き合いはじめてすぐくらいに甥っ子が生まれたので、なんとなくイメージがついていたのかもしれません。
そんなこんなで、結婚後すぐに妊活を開始。
結果的に、すぐに授かることができました。
前置きが長くなりましたが、今回はその妊娠がわかった日のお話です。
わたしと夫は、仕事帰りはお互い合流する駅で待ち合わせをして、いつも一緒に帰っていました。
その日もいつも通り、合流して帰っていました。
早く妊娠したかったわたしは、夫と合流してから、乗り換え駅のドラッグストアで妊娠検査薬を購入し、「帰ったらやろう!」と少しどきどきしていました。
でもその日はなんとなく気分が落ち込んでいて、「わたしは毎日、同じような日々しか過ごせないのかなあ。」と混み合った電車の中、暗くなってきた外を見ながらぼーっと考えていたのを、なぜかすごく覚えています。
「自殺したいわけじゃないけど、生きていても楽しくないな。生きる希望がない。なにを目標に生きたらいいんやろう。」
もちろん妊娠を楽しみにしていたのですが、ネガティブで考え込みやすいわたしは、不妊だったらどうしようなど、悪い方に悪い方に考えていたので、そんな風に憂鬱になりながら帰っていました。
隣に立っていた夫はスマホのゲームに夢中で、わたしがそんな憂鬱な気分であることなんて多分知らなかったと思います。
そして帰宅後
そそくさとトイレへ駆け込み、妊娠検査薬を試してみました。
実は、これがはじめての検査ではなく、何度も何度もフライングをしていたので、「まだ生理予定日前やし・・どうせ今回も真っ白かな」と考えながらしていました。
検査をして1分ほど経って、
うっすら
もうそれはそれは、目を凝らして見てわかるほど
幻視?
と思うほど。
うっすらと、陽性のラインが出ました。
「え!!見て!!これ、線あるよな?!?!」
とすぐ夫に報告。
「ほんまや!」
2人でにやにやしながら、嬉しさを噛みしめたのを覚えています。
「ああ、生きられる。わたし、お母さんになるんや。生きなあかん。ありがとう。来てくれて、ありがとう。」
偶然憂鬱だった日に、うっすらと陽性になっただけでしたが、
わたしにとっては最高の贈り物でした。
もちろん、その後も化学流産などネガティブ思考はフル回転し、不安は付き纏っていましたが・・・
なんとか順調に、妊娠も後期に差し掛かっています。
ここまで元気に育ってくれて、ありがとう。
わたしを母にしてくれて、ありがとう。
もう少し、狭いと思うけど、お腹の中で元気に大きく育ってね。
出てきたときには、たくさん抱きしめるからね。
いっぱい楽しいことを、家族みんなでしていこうね。
元気に生まれてくるのを、みんな楽しみに待っているよ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?