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暮らしの余白

3日間、岡山県美作市の上山という地域に滞在したので、その記録。

人口約140人の集落、上山。うち42人が移住者で、そんな方たちが一人一人、やりたいことを楽しみながら実践している地域です。

訪れるきっかけは、まめなのだいごくん。「いろんなところでポップアップ出店してみたいんだよね」とポロっと話していたのを覚えてくれていて、上山に暮らす大地さんたちと繋げてくださったのでした。

なんでも自分たちでやる

初めの2日間は、中国デザイン専門学校の皆さんの研修に同行させていただきました。集落を案内してもらい、イベントのために山道を整備、薪割り、などなど。山での暮らしの一部分を体験させてもらいました。

集落を案内してもらっている道中。山道を車で通っていると、すごく道が整備されていて。地域の方で協力して綺麗に保っているのだとか。

上山に暮らしている方々は、なんでも自分たちでやる。「やらないと誰もやってくれないからね」と、当たり前のように道に倒れかかっている木をチェーンソーで切って、車が通りやすくする大地さんの姿は、とってもカッコよかったのでした。

チェーンソーを扱えるのがデフォルトな上山の方々。

全力で楽しむ大人たち

2日目の夜は、3月末に行われるイベントの決起会にお邪魔しました。何にもしていないのに、すき焼きをご馳走になり、皆さんの懐の大きさに感謝。。

お邪魔したのは、「楽天」の元同僚お二人で住まれているお家。そこに3−4世帯の家族が集まり、お祭り騒ぎ!笑

子どもたちも楽しそうでしたが、何より大人たちがすごく楽しそうで。両親とも共働きで、仕事で大変そうな姿を見て育ったわたしは、こんなに楽しそうな大人が周りにたくさんいる子どもたちが羨ましくなりました。

全力で人生を楽しむ姿を見せて、一緒に楽しんで。わたしの理想の教育って、こういうことなのかも、と思ったり。

イベントのために山道をズバズバと整備し、その後宴会楽しむ姿は、決闘後の麦わらの一味のようで、
なんともカッコよかったのでした(ワンピース好きに伝われ)

パン焼いてみてよ

実は今回の滞在、何もやることを知らされず、そして考えず、やってきたのです。(いちょう庵という、出店できるスペースを見たかったくらい)

残りの滞在、どうなるのかな、どうしようかなと思っていたら、「パン焼いてみてよ」と声をかけてくださり、なんと山の上でパンを焼くことに。

声をかけてくださったのは、新しく宿をオープンされた「ありさん」。なんとその宿に薪オーブンがあるらしく、それを貸していただきました。

チリ生まれの薪オーブン
火をつけるところから自分で
火を起こすところから育てた我が子は、なんとも可愛い。
「うまく焼けるかな?」という不確実さが、ドキドキで楽しかった。

ふらっと訪れたパン職人を、こんなにも快く受け入れてくれる地域はなかなか無いです(断言)すごく楽しかったー。

「山の上でパンを焼くツアー」初夏か秋頃にやる予定なので、気になる方はご連絡ください!

暮らしの余白

今回の滞在で、「暮らしを楽しむ」ということについて、考えました。都会でも田舎でも、暮らしを楽しむことはできるけれど、その楽しみ方が全然違うなと。

都会では、「楽しみ方」がいくつも用意してあって、それをお金で買うイメージ。ショッピングも、テーマパークも、お金さえ払えば、楽しいことがなんでも経験できます。余白はないかもしれないけれど、不自由なく、何も考えずに生きていけます。

田舎、特に上山では、何も用意されていないからこそ、自由に楽しめる。暮らしていく上でやったほうが豊かだな、と思うことを、各自が楽しみながら実践している。お金がなくても、自分の知恵や体力さえあれば、なんだってできます。暮らしの中が余白だらけで、自分で自由につくって生きていけます。けれど、余白があるが故に、不自由なこともあって、それを楽しめるかが、大切。

どちらが良いとか悪いとかではなく、それぞれの良さがあり、大変なところがある。わたしは、どう生きていきたいか、そんなことを考えたのでした。

わたしがやりたいこと

高校生の時に不登校になり、「自分の居場所になるような場(カフェ)が欲しい」という想いで始まったパン修行

こうして色々な地域に訪れ、そこでの暮らしに触れ、「また来たいな」と思える大好きな地域が増えていく。それはある意味わたしにとって「居場所」になっているのかも。しんどくなったら、あそこに行けば、また頑張れる。そういう場所があるのって、豊かだよなあ。

こうして旅をするたびに「居場所」への解像度も変化してゆくのでした。

わたしの大好きな地域を、都会で紹介できる場を作れないかな。旅するパン職人の模索は続くのであった。(結論出てないだけ)

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