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仕事映画に学ぶキャリアデザイン〜映画の舞台には、どのような「はたらく」のヒントが隠されているだろうか?〜

今回私は4月9日に行われた、オカムラさんのbeeオンラインワークショップに参加しました!

テーマは仕事映画に学ぶキャリアデザイン〜映画の舞台には、どのような「はたらく」のヒントが隠されているだろうか?〜で、講師は大阪大学の松繁寿和先生です!

◾️授業の目的

このワークショップでは映画を題材に、ストーリーや特定のシーンにおいて労働問題がどのように反映されているかを読み取りながら見直すことで、労働の世界の理解を深めることを目的としています。映画の時代背景に知識をもちながら見るともっと楽しめそうですね!そういった映画の新しい楽しみ方を知ることも目的の一つだそうです!

◾️題材紹介

今回の題材となる作品は『あゝ野麦峠』です。

『あゝ野麦峠』(1979年公開)
大竹しのぶ主演。数百名もの出稼ぎ女工たちが命を削りながら製糸工場で働き、貧しい時代の富国強兵政策を支えた様子が描かれた作品。

松繁先生が、「この映画は時代背景を描写し過ぎていて映画としてはちょっと面白みにかけるかも?」というぐらい当時の労働問題が緻密に描写されています。

◾️富岡製糸場で働くことが女性の憧れ?!

明治維新後の日本経済を築いたのは製糸業でした。生糸は輸出品トップで外貨を稼ぎ、日本経済を発展させました。現在○○紡といった会社が多いのもその名残だそうです!そんな日本を支えていた製糸場、富岡製糸場で働くことは当時の女性たちの憧れでした。松繁先生によると、今で言うと学生がユニバやディズニーで働きたいと思うのと同じ感じではないか?とのことです!(笑)

富岡製糸場が1872年に出来て、1909年には日本の生糸輸出品は世界一になりました。しかしその裏には過酷な労働があったのです...。

◾️15時間労働?!

官営の富岡製糸場の労働条件は恵まれていたのに対して、この映画で描かれている長野県などの地域の民営工場の労働はとても過酷なものでした。貧しい家の少女たちが、山越えをして工場まで行きます。まだ12,3歳の幼い少女たちが出稼ぎに行っていました。

製糸工場での過酷な労働、蚕の放つ臭気、室温40度を超える作業場、更には15時間を超える労働もありました。

また当時は「罰金」が当たり前で何かミスをすると、自分の給料から引かれていたそうです。今では考えられないかなり過酷な労働環境ですね...。

◾️50円で家が建つ!

当時の評価は絶対評価でなく相対評価で、賃金格差はかなり大きかったようです。優秀な工女たちは百円工女と呼ばれ大金を稼ぐ少女もいました。当時の100円というのは今で言うととても大金で、わかりやすく例を出すと50円で家が建てることが出来たそうです。そう考えると100円ってかなり凄いですよね!

◾️感想

私より若い女の子たちが1日15時間も働いていたという過酷な労働が、日本経済の発展の裏に隠されていたことを知って衝撃を受けました。しかしこの少女たちの活躍なしでは日本の経済発展は無かったのかもしれないと思うと、決して風化させてはいけない事実ではないでしょうか。

作品で描かれている労働問題を読み取って考えることで労働への理解を深めれたり、「はたらく」のヒントを見つけることが出来るなど、今までとは違った新しい映画の楽しみ方を知ることが出来ました!

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