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国際宝飾展IJTの正しい使いこなし方

天然石の仕入れに携わって15年の私がたどり着いた宝飾展の使い方は『仕入れNG!』では何の為に行くの?そこで最も重要な点をアドバイスします。内容は2021年時点で書いたもので、これまで40名以上の方にご購入いただいています。内容は普遍的に変わらない『バイヤーとしての心得』のようなものですので、買い付けのお仕事に興味のある方やIIJT を利用している方の参考になれば嬉しいです。

2021年秋のIJT、横浜での国際宝飾展が幕を閉じました。若者のジュエリー離れに加え追い打ちをかけるように襲いかかったコロナ。何がなんでも集客しなければいけないと、主催者があの手この手で頭数を確保しようとしている様子は年々顕著になり『宝飾』という本来の垣根の高さをどんどんと下げているのが現状です。

『ジュエリー・宝石』から昨今の世の流れである『鉱物・ハンドメイド』にターゲットを広げ、更に今回はメルカリ転売を推奨するかのような謳い文句で転売ヤーを囲い込み、私が住む横浜の地域にはチラシまで撒いていました。そのお話は是非音声配信を聞いていただきたいのですが、その結果がよく表れていたのが今回の横浜のIJTです。

会場でとある業者さんが「もう崩壊だよ!」と言っていました。崩壊と表現するか変化と表現するかは人ぞれぞれですが、大きく変わらざるを得なくなってきていることは明確な事実です。誰が悪いわけではないく世の中の変化に対応しているということ。

ターゲットを業界よりやや外に広げた結果、もちろん来場者は変わりました。入場の際に必要なパスには、どんな立場の来場者なのかを出展者にも分かりやすくする為に、メーカー、小売商、卸商、デザイナー・クラフトマン、などいくつかカテゴライズされるのですが、おそらく今年から?ハンドメイドクリエイター、更には宝飾ビジネスに興味がある人、というなんとも曖昧なジャンルが追加されています。

特に一般の方が多かった最終日には、業者にとっては当たり前のことを何も知らないトンチンカンな質問、何の石か分からない、間違った石名を言っている、などなど多数見受けられました。


そこで今回この記事では、そういった新たに宝飾展を楽しみたい方たちに向けて、約15年天然石の仕入れに携わっている私の経験から感じるアドバイスを書いてみたいなと思いました。ですが今回の来場者の様子、出展者のリアルな声を聞くと、本当に興味のある方にだけ届けるべき内容だと感じるので有料とさせていただきます。

多くの方にとって国際宝飾展は”買付けのための場所”です。でも私にとってこういった場所は仕入れのためのイベントではありません。では何の為に行くのか?どんなメリットがあるのか?

この記事は自分用のジュエリーを安く買いたいなと思っている人にとっては全く意味を成しません。あくまで、クリエーターさんや天然石を商材にビジネスをしたい方、そう言った事業の駆け出しの方にとって意味のある内容です。(仕入れのためのノウハウではありません)気になる方は是非有料記事も合わせてご覧いただけたら、そしてマナーのある、志のある事業者さんが増えてくれたら嬉しいです。

さてここから先は本当に天然石、ジュエリーに興味のある方が読んでくださる事と思います。中には私のプロフィールをご存知なく読んでくださる方もいらっしゃるかもしれません。どんな奴がアドバイスしてくれるのか?をここで簡単にご紹介しますね。

株式会社 RAI 代表取締役
 杉村 萌弥  FGA   (英国宝石学協会特別会員) 

会社員時代の7年間、ツーソンと香港で天然石の買い付けに従事
アイルランド在住時にジュエリーブランド MOEMI SUGIMURA 立ち上げる
バンコク在住時に鑑別機関AIGSにて色石のグレーディングについて学び、仕入れのルートを原産国、集積地へと広げる
帰国し事業を本格化、妊娠出産を挟みながら宝石学最難関の資格FGAに合格
2021年法人化 「株式会社 RAI」 として新たなスタートを切る

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