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自分達でつくりあげるブライダルリング

MOEMI SUGIMURAが展開するシリーズの中でも、特別な意味を持つ「My Claddagh」今回は、アイルランド伝統のクラダリングを婚約指輪として選んだ安芸ご夫妻にその経緯や二人の出会いについて話を聞いた。

エメラルドグリーンの島、アイルランドでの出会い
「クラダリング」と呼ばれる指輪をご存知だろうか。欧州の小さな島国・アイルランドで継承される伝統的工芸品であり、王冠がのったハートを両手で包みこむデザインが特徴のリングだ。

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伝統的なクラダリング。ハートが愛を、両手が友情を、そして王冠が忠誠心を表す。アイルランドにルーツがある人々の間では非常に馴染み深いものであると同時に、多くの人々に愛され続ける普遍的なアイテムである。

今回、婚約指輪、そして結婚指輪をMOEMI SUGIMURAでオーダーした安芸さんご夫妻も、アイルランドに深い縁がある。

ご主人の銀治さんは、5歳からサッカーを始め、プロとして活躍。2019年のチーム移籍をきっかけに、アイルランドへ渡った。一方、奥様の愛美(まなみ)さんは、保育士をしていたがワーキング・ホリデー制度を利用し、半年間アイルランドに滞在。

二人は、日本から遠く離れたアイルランドの地で出会った。

アイルランドは、通称「エメラルドグリーンの島」とも呼ばれるほど、豊かな自然で知られる。銀治さん、まなみさんも、その魅力に夢中になり、この地での思い出でや経験は二人にとってかけがえのないものとなっていった。

R0095185のコピー

ありふれたものではなく、心に残る指輪を
アイルランドでは友人関係だった二人は帰国後から交際を始め、やがて同居するようになる。将来を共にすることを互いに意識する中、銀治さんはプロポーズを決意した。一般的に婚約指輪や結婚指輪というと、ダイヤモンドがあしらわれたものが一般的であるが、銀治さんは、二人だけのストーリーを記念の指輪に込めたかったのだという。

銀治さん:
「ありふれた婚約指輪になってしまうのが嫌でした。プロポーズを決意し、いい指輪はないかと探しているうちに、アイルランドはクラダリングが有名だったことを思い出したんです。そんなとき、萌弥さんがInstagramにクラダリングを掲載しているのを見つけて。目にした瞬間、『これがいい!』と思いました。他のクラダリングも見てはいたのですが、こんなにも凝っていて素敵なデザインはありませんでした。それで萌弥さんにDMをお送りして、話を聞いてもらうことになったんです」

普段、MOEMI SUGIMURAでは結婚指輪の販売を行なっていないということだが、なぜ今回のオーダーを受けたのか。

MOEMI:
「2021年にクラダリングをはじめて製作した際、興味を持ってくださったのは、アイルランドに縁や思い入れのある方たちでした。そういう人たちに届けたいという思いが当初からありましたし、銀治さんのお話を伺っていくうちに、アイルランドについて共有できる話題や感覚があったので前例は少ないのですがお引き受けすることにしました。ただ、石に『デュモルチェライト インクォーツ』を選ばれたのには驚きました。クラダリング自体は、アイルランド国内では結婚指輪にしている方もいると思うのですが、この石が入っている指輪をもらっている人はきっといないです。相当異端児だなと思いましたね(笑)」

銀治さん:
「最初はダイヤモンドも候補にあったのですが、彼女にはずっと水色のイメージがありました。青系のアクセサリーを身につけているときに、とても似合うなと感じていたんです。今回、彼女のイメージにぴったりの水色の石があったので、迷わず選びました」

デザイナー自身も約2年間のアイルランド在住経験があったため、銀治さんとのイメージのすり合わせはそこまで難しさを感じなかったそうだが、別の面での難しさがあったという。

MOEMI:
「普段は対面でオーダーをお受けしているのですが、コロナ禍ということもあり、オンラインでお話しを伺ったことに加え、今回はサプライズでのお渡しということで、実際に身につけられる愛美さんのお会いすることができませんでした。どんな雰囲気なのか、どんな服装がお好きかなど、よくお伺いしてから、石の候補を出していきました。ご主人が間に入っていらっしゃるので、身につけられるご本人の好きなテイストに仕上げられるか若干不安な面もありましたが、アイルランドが好きな人だったら絶対に大丈夫という確信がありました」

その後、幾度かのやりとりと調整を繰り返し、無事に指輪が完成した。
愛美さんは、プロポーズを受けエンゲージリングを手にしたとき、どう感じたのだろうか。

愛美さん:
「指輪を見た瞬間、クラダリングだったのでとても驚きました。ゴールウェイ(アイルランド西部に位置する湾岸都市)に遊びにいったとき、お店で売っているのを見かけて、友人は買っていたのですが、わたしは自分で買うのはいやだなと思って、そのときは買わなかったんです。そういった過去の思い出もあったりして、クラダリングには特別感を抱いていました。まさかプロポーズでいただけると思っていなかったので、すごく感動しました」

二人の思い出の地で継承される伝統の形に、愛美さんのイメージを重ね合わせた、この世に一つだけのエンゲージリングとなった。

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銀治さんからまなみさんへ贈られた、クラダリング。愛美さんをイメージした、美しいライトブルーの「デュモルチェライト インクォーツ」があしらわれている。

意味ある数字とモチーフをデザインに落とし込む
プロポーズを経て、晴れて二人は婚約。結婚指輪もアイルランドにまつわるデザインがいいということで、MOEMI SUGIMURAでオーダーをすることをすぐに決めた。今度は二人揃ってのオーダーだ。

すでに展開があった”ALAN”というアランニットを象ったシリーズも候補にあがったが、話をすすめていくうちに「ケルティック・ノット(Celtic knot)」のデザインでつくることになった。ケルティック・ノットとは、『ケルズの書』や『リンデスファーンの福音書』などの装飾にも見られる文様で、古代ケルト人によって建造物のレリーフや装身具などに用いられてきた。一本の紐から成り、終わりのない“循環”を象徴する。

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MOEMI:
「お二人の入籍日は、8月10日です。8が数字のインフィニティの形になるのと、ケルティックノットの切れ目がないデザインがぴったり合致したので、指輪のデザインとして落とし込んでいきました。さらに、愛美さんの指輪には、8と10を足した18石のダイヤモンドを入れています。

当時、まなみさんは保育士の仕事をされていたので、ゴージャスすぎず、普段使いしやすいデザインになるよう意識しました。また、エンゲージのクラダリングとも重ね付けできるようV字の部分を組み込んでいます。」

エンゲージ同様、アイルランドの伝統的なデザインをベースにしつつも、二人にとって大切な8月10日という記念の日を盛り込んだストーリーのあるデザインが完成した。

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ケルティック・ノットから着想を得た結婚指輪。二人だけの大切な意味合いも込められている。

既製品では表現できない、ストーリーのあるジュエリーづくり
最後に、安芸ご夫妻のように、自身のストーリーを反映したジュエリーをMOEMI SUGIMURAで作りたい人へメッセージをもらった。

MOEMI:
「結婚指輪にかかわらず、普段から受けているオーダーも、お客様のストーリーをできるだけ反映したものをつくるよう心がけています。

一番お伝えしたいのは、今回、安芸ご夫妻のエンゲージリングにもあったように、既成概念にとらわれなくてもいいということです。ダイヤモンドであるべきだとか、給料三ヶ月分であるべきだとか……。そういった“いわゆる結婚指輪”というスタイルにこだわらなくてもいいんだということが伝わったら嬉しいです。

お客様の中には、毎年プレゼントするという方も、結婚10年、20年の記念につくって指輪を増やしていくという方もいらっしゃいます。それぞれのストーリーとライフステージに合わせて、必要なときにオーダーしていただければと思います。もちろん、既製品を選んで、そこにストーリーをのせていくという方法も素敵だと思いますが、デザイナーの私や、職人さんをはじめ、いろんな人がものづくりに携わりながらも、最終的には“自分たちの手でつくった”という感覚を持っていただけたら、嬉しく思います」

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銀治さんも愛美さんもオーダーメイドははじめてだったとのこと。実際に自分たちで指輪をつくった感想を聞いた。

銀治さん:
「僕は今回、プロポーズということで依頼させてもらいましたが、オーダーメイドのリングはとても大きな買い物ですよね。不安に思ったり迷ったりする人もいると思いますが、そういう方にはぜひ萌弥さんと一度お話ししてみてほしいなと思います。たとえ、お願いしたい内容がぼんやりしていたとしても考えをそのまま伝えたら、そのピースをデザインに落とし込んで100にして返してくれます。本当にすごいことだなと思いました」

愛美さん:
「プロポーズのあと、すぐに結婚指輪もお願いしたいねという話を二人でしました。オーダーで指輪をつくるということ自体はじめてだったので、どんな風に指輪がつくられていくんだろうと思っていたんです。でも、先ほど彼がいったように、漠然とした要望も素敵に形にしてくださって。『こういう意味があるから、こういうモチーフで』といったように背景とストーリーがあるのがとても嬉しかったです。

単にデザイン的におしゃれというだけではなく、そこにしっかりとした意味が込められているのが、結婚指輪としてもアイルランドにちなんだデザインというところでもしっくりきて、心に残っています。そういう思いが込められたものを身に付けることができて、本当に幸せに思います」

安芸銀治さんと安芸愛美さん。オーダーした指輪をつけて、記念撮影。

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安芸銀治
Ginji Aki
1994年生まれ、千葉県松戸市出身。5歳からサッカーを始め、プロとして活躍。2021年10月31日に引退後、11月1日にNAGAREYAMA F.C.を立ち上げる。株式会社流山FC代表取締役。

安芸愛美
Manami Aki
1996年生まれ、神奈川県横浜市出身。保育士として働いたのち、ワーキングホリデーを利用し2019年9月〜2020年3月までアイルランドに滞在。現在は、銀治さんとともに株式会社流山FCの運営に携わる。


《 お二人のインタビュー動画はこちらから↓ 》

《クラダリングのオンライン購入はこちらから↓》

アベンチュリン・アイオライトのMy Claddagh Ring

Interview & Text : Yuriko Horie  /  oficial website 

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《 UP COMING EVENT 》
drama H.P.FRAMCE 日本橋高島屋
2021.12.1 (水) ~ 12.31 (金)

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