ドイツでの、お義母さんへの呼びかけ方

ドイツの兄弟姉妹間では、日本のように「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」という呼びかけ方はしません。兄や姉が弟や妹を名前で呼ぶように、弟や妹が兄や姉を呼ぶ時にも、名前で呼びかけます。
お互いに名前を呼び捨てですね。

(そういえば、妹や弟を「弟ちゃん」「妹ちゃん」とは呼ばないのに、どうしてお兄ちゃんお姉ちゃんという呼びかけ方は存在するのでしょうかね…。)

そして、結婚した後、義両親にも「お義母さん」「お義父さん」という呼びかけはしません。名前を呼び捨てです。

私はその事を知らず、結婚後、お義母さんの事を夫に合わせて「マミー!」と呼んでいました。
・Mutter(ムッター/母)
・Mama(ママ/お母さん)
・Mummy(マミー/ママの幼児語、たまにふざけるとムッティ)

結婚から数年が経ったあるクリスマスの夜。
家族の集まりで話していた時に、
「日本では、娘は結婚したら家を出て、結婚相手の家庭に入るっていうんだよ。」
と話をしていました。
すると義弟の彼女が、
「私、ずっとなぜ萌は〇〇(義母)のことをマミーと呼ぶのだろうって思っていたの!」
と言うのです。私が、
「え?でも、あなたも義弟と結婚したら〇〇のことをマミーって呼ぶのでしょう?」
と返したら、
「呼ばない!呼ばない!私のママはママ(実母)だけだもん!」
と言われたのです。
お互いに「えーーっ!」となりました。

私、ずっと外でもお義母さんのことを『おかあさん=マミー』のつもりで呼んでいましたけれども!!!おかしかったんだ!

という出来事が、この事実を知るきっかけでした。
義弟の彼女には「今年1番の驚き。」と言われましたが、私も驚きました。
義母に「マミーとは呼ばないんだ?!」と聞いたら、笑って、「日本はそうだと息子(私の夫)から聞いていたから、私は気にしないよ!」と言ってくれました。なので、それからもずっと私はマミーと呼んでいます。
外でアジア人が白人に対して「マミー」と呼んでいたら、それを聞いた他人は「この子はアジアから迎えられた養子?」と思うのかも知れませんね、今思いました。
でもお義母さんが良いと言ってくれているのだし、気にせずこのままでいきます。外ではなるべく小声にしようかしら。

お義父さんのことは、「パピー(パパの幼児語)」です。
ですが、夫にとっても彼は継父の為、お義父さんのことをパパと呼ぶのは1番下の義弟(彼だけが実子。義弟は夫とは異父兄弟)だけで、夫も名前で呼びかけている影響で、私もお義父さんに対しては名前が口からでます。でも義母はマミーなのに、義父だけ名前を呼び捨てで呼ぶのも差があっておかしいかな?(義父は私をとても可愛がってくれております)という想いもあって、パピーと半々くらいで呼んでいます。なんだか気遣いも混ざってこんがらがっております…。

私も継母の立場ですが、夫の子供達も、私のことは名前で呼び捨てです。ヨーロッパの感覚では、名前で呼びかけるのが普通なのです。

そもそも、日本語には『漢字』というものがあって、発音は同じ『おかあさん』でも、実母を表す『お母さん』と義母を表す『お義母さん』がありますが、ドイツ語にはそのような使い分けが無いわけです。
実母はMutterムッター、
義母はSchwiegermutter シュビーガームッター
継母はStiefmutter スティーフムッター
と発音も別物です。
ドイツ語には、「お母さん」と「お義母さん」のように『発音は同じでも書くと別の単語』という言葉など存在しないのです。

なので、私は「シュビーガーマミー!(義ママ!)」と呼びかけるべきだったのでしょうか。

あ、因みに、義母を表すSchwiegermutterシュビーガームッターですが、schwierigシュビーリックという「難しい」という意味の単語と似ていてちょっと面白いです。(※似ているだけだと思います。わからないけれど。)
義母との関係は難しいからかしら?とか、勝手に想像してしまいます。
Schwiegerシュビーガーは義理の家族全てにつくのですが。
Schwiegervaterシュビーガーファーター/義父
Schwiegersohnシュビーガーゾォン/義息子
Schwiegertochterシュビーガートホター/義娘
あ!私もお義母さんからしたら難しい義娘かしら!

ありがたい事に、気さくなお義母さんに恵まれて、今のところ仲良くやっております。

名前の呼び捨て文化についてのお話でした。
あれ?
そうでしたっけ?
呼びかけ方についてのお話でした!


2020年7月31日



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