いまいけぷろじぇくとvol.10にむけて①

これまであまり自分のことを文に残る形で言ったり書いたりをしたことがない(旧Twitterでの垂れ流しは別扱い。垂れ流しだし…)ので、広報も兼ねて公演までにいくつか書いてみようと思います。せっかく(ほぼ)個展やるし。

最近アフタートークや打ち合わせなどでよく話すのは「生活と制作とがシームレスにつながっていること」についてです。数年前までは、私生活のアップダウンや事情などが作品に影響する、ということってダサい〜と思っていたし、クラシック音楽の楽曲の作品解説に私生活の変化や書いた当時の境遇などからの影響が楽曲に反映して…みたいな旨のことを書かれたのを見ると、そんな訳無いでしょ〜と毎回ケッっと思っていました。(恋しちゃってルンルンの曲なんだな〜みたいに解釈して、それが演奏表現のよい助けになるのは良いよね、くらいの許容)

しかし、2019年秋に出産してから、創作に割く時間が激減しました。子どもが乳児(母乳やミルクを飲む時期)のときは、(たとえそれが夜中の3時でも明け方6時前でも)おっぱいあげて、ねんねさせて(子どもが寝てる時しか寝れないから同時に私も寝る)、抱っこしておんぶして…おんぶはそんなにしないけど、とにかく時間が取られる。そんな中でどうやって曲作るかというと、授乳しながら考えたり、寝かしつけしながら考えたり、家事を片付けながら考えたり、子どもとEテレを観ながら考えたり。とにかく頭の中でガツガツ考えて熟成させる。その間、座って作業できる(やれる)隙があれば、クロッキー帳に殴り書きでその頭の中を書く。同時進行でワードに楽譜(といっても近年は音符を自分で書かないスタイルがほとんどなので指示書のようなもの)として落とし込んでいく。推敲して完成…みたいなやり方が定着しました。
とはいえ、「頭の中に出来てるのを書くだけ」というモーツァルトや浅倉大介みたいな完成度では全然無いので、書いてみたらいやこれまだまだアイデアの段階じゃん、と思って絶望することは多々あります。
とにかく、日常と切り離された時間のなかでやる、ということが出来なくなり、そのせい(おかげ)か、生活の中で感じたりすることが作品に出始めてきました。最初はなんだかなーと思いつつ、でしたが、あるきっかけによって肯定的に捉えるようになりました。
それは次回に続きます。

公演情報

いまいけぷろじぇくと vol.10 《全景》
ゲスト:宇多村仁美(ソプラノ)、林美春(打楽器)
アフタートークゲスト:金子智太郎

”ほぼ“池田個展!前回の第9回と今回の第10回はこれまでと趣向を変え、今村・池田個人に焦点を当てた企画である。2012年〜現在に至るまでのパフォーマンスソロ、器楽・声楽ソロ、デュオ、トリオの池田作品と今村作品を取り上げる。
作曲家、 そしてパフォーマーとしての、池田の思考の軌跡を見渡すことが出来る。
《全景》が、そこにある。
また、アフタートークゲストには美学研究家の金子智太郎を迎える。
演奏ゲストには、名古屋を中心に活動するソプラノの宇多村仁美、打楽器の林美春が参加。
「いまいけぷろじぇくと」は、 劇作家やダンサー/振付家に音楽作品を委嘱したり、俳優/ダンサーを演奏家としてゲストに招いたり、批評家を招いたアフタートークの開催など往来の「演奏会」という枠組みにとらわれない活動を続けている。
※このコンサートは2020年6月開催予定であった公演の延期公演です。

【プログラム】
池田萠/日本語による歌曲のためのランダマイズド・スタディ
(soprano)(2023/初演)
池田萠/35歳までにMステに出たい(performer)(2020)
池田萠/選択音楽 No.03 または どんつきのきつつき(4 performers)(2019)
池田萠/おす、ふく、たたく、うたう(percussion, performer)(2017)
池田萠/小太鼓のためのオーケストラ(ざわざわ)レパートリー
(2023/初演)(percussion)
池田萠/楽音と楽音との狭間に関する考察 No.02(soprano, performer)(2012)
今村俊博/描く人Ⅱ(4 performers)(2023/初演)

2023年10月15日(日)13:00開演(12:30開場)
会場:KDハポン(名古屋市中区/JR鶴舞駅北口より徒歩約3分)
https://kdjapon.jimdofree.com/アクセス/
料金:
一般 予約:3000円+ドリンク代/当日:4000円+ドリンク代
U25 予約:1500円+ドリンク代/当日:2500円+ドリンク代
ご予約:フォーム https://docs.google.com/.../1JBoGUDz6Uy51xXtA.../viewform...
主催・お問合せ:いまいけぷろじぇくと事務局
 imaikeproject(at)gmail.com (at)を@に替えて送信

ゲストプロフィール
宇多村仁美 Hitomi Utamura/ソプラノ、パフォーマンス
愛知県立芸術大学博士前期課程修了。
世界的テノール歌手ジュゼッペ・サバティーニ氏に招待され、イタリア、ローマにて研鑽を積む。第47回イタリア声楽コンコルソ ロイヤルティガー部門金賞受賞、第4回タイ・チェンマイ ヒナステラ国際コンクール奨励賞受賞、第4回マルゲリータ・グリエルミ声楽コンクール第三位。日本、イタリア各国で演奏会やオペラに出演する傍ら、近年ではアジアの国々にも活動の幅を広げている。田中敏夫、新実真琴、森川栄子、 三輪陽子、井上美智子、レベッカ・ベルク、ジュゼッペ・サッバティーニ、セルジョ・オリーバ、クレシー・ ケリー各氏に師事。
演奏活動の他、後進の育成にも力を入れており、宝塚音楽学校、劇団四季、東宝ミュージカル等に生徒を輩出している。

林美春 Miharu Hayashi/打楽器、パフォーマンス
名古屋市出身、2009年愛知県立芸術大学卒業。卒業演奏会出演。中部打楽器協会新人演奏会第1位。第17回万里の長城杯国際音楽コンクール打楽器部門第3位。[表現する]をテーマに、現代音楽を積極的に取り入れたプログラムで行われる子ども向け打楽器ワークショップや、親子で楽しむレクチャーコンサートは好評を得ており、その唯一無二の活動に注目を集める打楽器奏者である。
名古屋市立大学大学院 人間文化研究科(修士)を経て、現在名古屋大学大学院 教育発達科学研究科 博士後期課程研究科 在学中。教育哲学者であるジョン・デューイの思想を中心に、乳幼児期の音楽経験について研究している。至学館大学こども健康・教育学科非常勤講師。

アフタートーク・ゲスト
金子智太郎 Tomotaro Kaneko
美学研究者。聴覚文化論。愛知県立芸術大学准教授。「日本美術サウンドアーカイヴ」主宰。主な論文に「1970年代の日本美術における音」『あいだ』(2022年)、“Arrangements of sounds from daily life: Amateur sound-recording contests and audio culture in Japan in the 1960s and 1970s,” in Asian Sound Cultures: Voice, Noice, Sound, Technology (Routledge, 2022) 他。

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