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原文の載っている本を買おうという話

 歴史雑記152
(本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています)

※ヘッダは岩波文庫の『荘子』より。岩波文庫でも金谷治先生のものは原文や語注がしっかりある。

はじめに

 この記事はごく当たり前のことしか書いていない。
 なので、中国史なら中華書局とか手堅い版元の注釈書……までいかなくても新釈漢文体系とか、日本史/日本文学なら(新)日本古典文学大系あたりを持ったり引いたりしているひとは読む必要はない。
 おおよそ文学部でちゃんとした卒論を書いた/修士を出たくらいのひとであれば当たり前の内容である。
 逆に、理系学部とか、経済系の学部を出て、古典に興味があるというひとには役に立つかもしれない。

「ビジネスマン」に人気のやつ、原文載ってる?

 さて、古典というのはどうも一定の年齢に達すると「読んでおかないとまずい」みたいに思うひとが一定数はいるらしく、『孫子』に『論語』、『貞観政要』になぜか『菜根譚』などは妙に人気がある。
 ただ、書店で平台に並んでいるやつを見ると、だいたい「〇〇(任意の古典名)に学ぶ」とか「N時間でわかる〇〇(任意の古典名)」みたいなものが多く、「いやそんな短時間でわかるはずないやろ!」と僕などは思うのだが、高校時代に古文漢文を遠ざけていたようなひとはそういう本をつい買ってしまうらしい。悲しいことです。

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