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【下】V系ライブレポ芸人の自伝小説【カサンドラ】

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私の不幸は、全部お前のせいだ。
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#特発性血小板減少性紫斑病

【カサンドラ】 34.転嫁

席に戻ると間もなく、5号サイズほどのバースデーケーキが運ばれてきた。 未だ体内でフツフツと…

【カサンドラ】 35. hide

私はあの強烈な衝動が再び襲ってくるのを待っていた。 死ななければいけないという切迫した焦…

【カサンドラ】 36. 2019-再会

夕食を済ませ子供たちのお風呂も終わり、真紀子と録画したドラマを見ながら珈琲を啜っていると…

【カサンドラ】 37.2014-再音

ヴィジュアル系バンドというものに出会ってから、人生が一転し、 好きなバンドを追いかけて日…

【カサンドラ】38.ゴミ貯めの家-2

父が70を越えた頃 私が生まれ育った家の大家が、土地ごと手放すらしいということで あの鎌倉の…

【カサンドラ】 39. ゴミ貯めの家-3

後部座席の窓から外が見えないほど、いっぱいにゴミ袋を積んで自宅に着いた。 私は脇目も降ら…

【カサンドラ】 40. 古傷

もう、何も考えたくなくて、自宅のベッドに横たわっていたが 何もしないと同じことばかりを考えてしまうので、化粧をして外に出ることにした。 行く宛てもなく、駅まで歩いて ATMでお金を降ろし、電車に乗った。 車窓から見える夕焼けがあまりにも綺麗だったので、二子玉川駅で電車を降りた。 つい数分前まで空を染めていたピンク色は早くも紫に変わってきていて 駅を出て歩きだした頃には、紺色の闇に包まれ始めていた。 横断歩道を渡って、少々久しぶりに重い扉を押すと、 智くんが入口を覗き込むよう

~第4章~【カサンドラ】41.2015~2019

何年も、同じ部屋で同じことを繰り返し 何年も、同じような日々をやり過ごした。 私の身体は徐…

【カサンドラ】 42.  2019-ブログ-アメ限

主死去、のためにどうしても読めないアメンバー限定記事について 大地が一つの案を提案してき…

【カサンドラ】 43. 手紙

ゴミを処分した一件の後、しばらく両親と連絡を絶っていたが 年末調整が近付くとどうしても必…

【カサンドラ】 44. 懐かしい家

ここで暮らしていた、20年前。 現在は営業していない店がほとんどだが、 あの頃とほとんど変わ…

【カサンドラ】 45. 茜空

石油タンクを持ち込み、給油ポンプでストーブに灯油を入れている背中が あと数十センチの位置…

【カサンドラ】46.「私が終わる朝に」

>>あとがき