おしゃべりな買い物
今日も弁天通り商店街を通って帰宅。
夕暮れ時にひとつひとつのお店に明かりが灯っているのを見ると安心する。
店内を覗くとよく知った顔が見えて頬が緩む。
仕事場と家の往復の道が商店街って本当にしあわせだ。
ここに引っ越してからスーパーに行く回数がずいぶん減った。
東京都知事から週末の外出自粛の知らせがあってからすぐに、スーパーの棚からいろんなものがなくなったらしい。
そんな光景を見るのは気が滅入りそうだし、今のところ買い足しておきたいものはないし、もともと買い貯めるのは苦手だから、まだスーパーには行っていない。
いつもの商店街で買い物をする方が気が楽だ。
というよりも、商店街で他愛もない会話をはさみながら買い物するほうがよっぽど楽しくて元気がでるから。
今日は豆腐屋さんで木綿豆腐とこんにゃくと白滝を、お肉屋さんでひき肉と豚バラ肉と乾麺のうどんを買った。
豆腐屋さんには豆腐しかないわけじゃないし、お肉屋さんにはお肉以外の台所応援食材もいろいろ並んでいるのだ。
こんにゃく好きのわたし。武蔵屋豆腐店がいつも仕入れているこんにゃくのファンで「大好きでいつも買っているんです」とおじちゃんに話したら「ここのは歯ごたえがあっておいしいんだよね」と。
続けて「でもねぇ、残念なことにこのこんにゃく屋は今月で閉めちゃうんだって。だから今日が最後の配達で、多めに仕入れたんだよ」と。
がーん。ちょっと泣きそうだった。こんにゃくを追加でもうひとつ買わせてもらった。
なかなか厳しいのだそうだ。スーパーに卸すと手数料のような形でたくさんもってかれて、結局利益がほぼないような。
かなしい。そんな取引はきっとあちこちであるのだろうけれど、おおきなものが、ちいさく真面目にこつこつといいものを作っている店をぺしゃんとしていく様を想像すると涙がでそうだ。
そしてそれは今の日本の現状だし、わたしもちいさな規模で店をやっている身として胸がいたい。
せめてわたしは応援したいお店や農家さん、作り手のひとから買い物を続けていくのだと、改めて思う。
(この前あそびに来てくれた友達と商店街ツアーした)
お肉屋さんではハンバーグ用に鶏ひき肉を200g、豚ひき肉を100g、欲しい分だけちょっとずつ買えるのがありがたい。
今夜作る牛蒡の炊き込みご飯に使う豚バラ肉も合わせて、それぞれ紙にくるっと巻くだけのシンプル包装。
うえまつさんの包装紙は実は2種類あって、ふたり暮らしのわたしが買うお肉の量だといつもブルーの包装紙。多めに買うと包んでくれる包装紙の方が密かにわたしは気に入っていて、それに包んでもらうのは特別なとき。
今日は立ち寄らなかった八百屋さんはいろんな種類の柑橘を1つから買えたり、手作りのお惣菜も手頃な値段で売っているし、顔見知りとなった今では、外葉だけ傷んでしまったまだまだ使えるレタスだったり、芽が出かけている玉ねぎ1つとか、分けてくれることもある。
「早めに使ってよー!」って。
こないだはながーい牛蒡とセロリを買って帰り際
「落っことさないようにねー!」って見送ってくれた。
常連親子は八百屋に”バナナキープ”をしていたっけ。
最近会えていないけど、さんちゃん元気かな。
お魚屋さんでは水槽で気持ちよさそうに息をしているあさりがいたり、店頭にないお刺身も聞いてみて在庫があればその場でさばいてくれたこともある。
家族で集まって手巻き寿司なんかするときにはいつも、お任せお刺身セットを頼んでいる。
「こどももいるなら食べやすいネタにしておくねー」
なんて気を利かせてくれるから信頼してお任せできるんだ。
和菓子屋三好さんの塩大福もとてもおいしい。豆大福はけっこう早めに売り切れちゃう。
小学校の頃は交換ノートや文具を買いに行った「たまや」にも、あえて日用品を選びに行ったりしている。刺繍針や電卓なんかを最近は買ったなぁ。
もうひとつのお肉屋さん、須藤さん一家は元気いっぱい。
注文してから揚げてくれるクリームコロッケはがんばった日のご褒美だ。
時々しか並ばない鶏皮があればラッキー。
「出汁をとったり佃煮にしておくと便利だよー」と教わった。
トロントベーカリーは最高にキュートなパン屋さん。
「ポチ」という名のクリームパンは全部ちがう顔をしているという奇跡。
目が合うと連れ帰らずにはいられなくて困る。
店名のロゴがたまらなく可愛い。
店主のおじいちゃんの可愛さもまたよし。
稲城にあそびに来てくれた友達みんな案内したいわ。
そのくらい大好きな商店街。ちいさいけれど、いかしてる。
商店街のこと書き出すと止まらないんだけど、今日はこのあたりにしておこう。
そう、なにが伝えたかったかというと、個人店でお買い物しようよ!ってこと。
楽しくておいしくて、あったかくて最高だよ。
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