夜活 ~コミュニケーションエラーによるインシデント~
先日のおたんこ英語塾の朝活に引き続き、夜活にも参加しました。
テーマは「Incident Management Communication error(コミュニケーションエラーによるインシデント)」でした。
これは実際に起こったインシデントの症例です。
アンギオを受ける入院患者さん
昨晩から血圧190/90と非常に高かった
にも関わらず…
血圧に介入した書類なし
病棟からの申し送りなし
カテ室の受付でもスルーされて、
治療直前のチェックで血圧が高いことに気づき、
病棟に確認、医師の診察が必要になったとのことでした。
結局、入院時から血圧が高く、そのまま治療を決行することになりました。
幸い患者さんには何事もなかったのでホッとしましたが、怖いことですよね。
では、ここでは何が問題だったでしょうか?
以下に挙げてみます。
#1 No handover 申し送りなし
→Lack of communication コミュニケーション不足
No documenntation 書類なし
#2 Poor patient flow 患者の回転率が悪い
→waste of time 時間の無駄(時間通りに治療が始められなかったため、次の検査や治療の時間にズレが生じる)
#3 Lack of knowledge 知識不足(通常、患者さんの血圧を電子カルテに入力する時に血圧が180以上はPC画面が黄色くなり、アラームがなるそうですが、担当看護師はそれを無視 or 知らなかった)
そして、これはインシデントになるので、インシデントレポートが必要になります。
オーストラリアでは…
・このインシデントレポートは誰が書くのか?
→発見者が書きます。
・このインシデントをマネジメントするのは誰?
→カテ室の看護師長(入室時のチェックのモレのため)
病棟の看護師長(高血圧に対するコミュニケーション不足、知識不足のため)です。
・このインシデントレポートは書き直すことはありません。
→それはマネジメントする師長たちがフォーマルな(完成された)文書にする必要があるからです。不足している箇所は師長たちが、当時の状況を聞き込みをして完成させます。さらに、いつまでに何を変えるのか、対策をたてるところまで看護師長が行います。
ここで大切なのは、インシデントレポートは、インシデントを起こした犯人探しではなく、なんのシステムが悪くて問題が起きたのか?を正すために行われていることです。
日本では、インシデントレポートは書きたくないもので、比較的若いナースたちに「経験しておきなさい!」と言わんばかりに押し付けられたり、そのレポートを元にカンファレンスがあれば、「なんでインシデントになったの!?」とインシデントを起こしたナースが公開処刑される場面があります。そんなことがあれば、仕事をやめたくなリますよね。
朝活の記事を取り上げてくださったこだまさんはインシデントの当事者のことについて書いてくださっています。
これが、オーストラリアだったら、公開処刑されたナースがその日のうちにパワハラやいじめを受けたと人事課に行けば、管理者である看護師長が怒られます。メンタルケアも日本よりずっと充実してます。
もっと日本にも、メンタルケアの充実と公開処刑がなくなって心地よく働ける環境になることを願っています。
このお話を聞いて、海外ナースにも興味の出てくる人もいるのではないかなーと思います。海外、特に英語圏で働くなら英語は必須です。
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