香川と、うどんと、ひとり旅

昔、青春18切符でうどんを食べに香川へ行った。

駅員さんが懇切丁寧に道順を教えてくれて、知識のない貧乏学生の私には仏様のように映った。

東京から香川への道のりの、あまりの長さに
「なんで私、香川にしたんだろう。大阪だったら、もう着いたのに」
とこの旅をもっぱら否定するような感情がつどつど湧いた。
私には、一度思いついたら大童に、猪突猛進する悪癖があった。

到着したのは夜の8時ごろ。
どこの店も閉まっている中、唯一口にできたのがカレーうどんだった。
香川に到着し、初めて口にしたのが「カレーうどん」。
これはうどんマニアからは怒られそう。

次の日から朝早く起きてうどん屋さんをはしごした。
帰り、鈍行電車の中で揺られながら、私は思った。

「私、そんなにうどん好きじゃないな」

うどんよりそばの方が好きだということが、
この旅でわかった。
今度はそばを食べに長野にでも行こうと思う。

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有難き幸せ
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フリーライターであります。元ばしばしちゃん_旅する日本語2019優秀賞。ツカノマレーベル春の詩_優秀賞。エッセイ、取材、原稿、校正…。お仕事のご連絡はコチラ🐈moemi.s0429@gmail.com🐈