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我々は這うように丁寧に道を行き、アクセルを踏み込むように一気に峠を進み、妬みやブラフといったすべての取るに足らないものから自由になった場所で、飽きもせずにそれらを押しつけようとしてくるシステムには器用に付き合いつつも熱い茶を飲みながら愛想を尽かし、同じく飽きることを学ばぬ人には徹底した無関心という彼らが享受するに最も相応しい反応をもって返事をし、村人たちで顔を突き合わせては自然の恵みに酔い、笑いと喜びに満ちたひとときに漂い、暖かい夕陽の波に溶け込み、そして空に星が煌めく頃には、妬みやブラフの呪いから覚めやらぬ人々の声量の大きさだけが取り柄の聞き飽きた勝手な批判にさえも、片目を瞑って軽く微笑み、そんな彼らの幸せすらも願って、自然の恵みのかけらを差し出すだろう。

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