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結婚式の実体験『ウェディングケーキが、、、。』

これは私が新人だった頃の話。

いつものようにシルバー(ナイフやフォーク)を
アルコールをかけたナプキンで綺麗に磨き、テーブルセッティングを行います。
グラス、シルバーともにピカピカいや、ビカビカ。照明も音響設備も問題なし。
会場設営は完璧です。

ミーティングで今日の披露宴での注意点などが細かく周知されます。
『今日のお二人はウェディングケーキにとてもこだわりがあります。入刀したケーキをスタッフで全員にお配りするのでよろしくお願いします。』

資料を見ると新婦さんが大好きなディズニーキャラクターをモチーフにしたケーキのよう。

(おぉ、めちゃくちゃお金かけてるなこれは。)

我々スタッフも本物を見るのがとても楽しみなデザインです。
一口にウェディングケーキと言っても、テレビでよく見る、何メートルあるねん。といった高さがあるものもあれば、四角形で季節のフルーツをふんだんにあしらったもの。時にはケーキと称した巨大なおにぎりを使用したりと、新郎新婦さんのこだわりが垣間見えます。

披露宴がスタートし、まもなくウェディングケーキ入刀のセレモニーとなった時、なにやらキャプテンとプランナーの顔が青ざめている。

『え!?このケーキ全くデザインが違う‼️』

よくよく聞いてみると
別の披露宴会場のウェディングケーキが納品されていたというまさかの展開。

慌てふためくプランナー、キャプテン、司会者、会場スタッフ
会場キャプテンが事情を説明し、担当プランナーとともに新郎新婦さん、御両家の皆様へ謝罪。
ケーキセレモニーを式の後半に行うことになりました。

しかし、セレモニーを後半に持ってきたことで、カットして配る時間が足りないことが発覚。

遠方から新幹線で来ていただいているゲストもいらっしゃるため、お開きの時間は伸ばせない。

あの時のケーキをカットするスタッフの顔は今でも忘れられません。
ワンピースのロロノア・ゾロかよ。ってくらい
鬼のような形相でケーキを切っていました。

その後スタッフ総出でケーキを配り終え、
なんとか定刻でお開きまで持ってくることができました。

配る側も、焦って落としてしまってはおしまいですからね。
『焦らず急ぐ』この難しさを知りました。

新郎新婦さんのこだわりのつまったウェディングケーキセレモニー。
お二人の思い通りの披露宴を施行できなかったことが何よりも悔しいと感じました。

それでも、お二人の笑顔は忘れません。

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