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一人で祇園祭行ってみた

関西に出てきて二年目。そういえば祇園祭、行ってみたかったんだよね、ということを思い出したのが七月に入ってから。何人かの友人に祇園祭行かない?と聞いてみたもののみんなテスト勉強をするとかで色よい返事がもらえなかった。(そもそも友達の数が少ないんですがね)

今回は「宵山」を見に行くことにした。いつ見に行くかを決めたはいいが、ここで浴衣を着たい!という欲望が芽生えてしまった。夏の京都、日が落ちる頃に行くなら絶対浴衣の方が雰囲気出そう、という安易な理由である。

誰かと一緒に行けるんじゃないかという希望的観測を当日まで持ちながら、夕方には浴衣に着替え始めた。着替え終わって、結局誰とも行けないことが確定。「祭に一人で行く」こと自体は問題ないのだが、「浴衣で」となると少々自意識が邪魔をしてくる。京都だと浴衣の人が電車にいるだろうが、大阪から浴衣の人はなかなかいないだろう。

一人で浴衣で行けるかな、と友人にこぼしたら「私なら全然いける」と返ってきた。そう言われると悩むのが馬鹿らしくなり、「よっしゃ行くぞ!!!」と返信していざ駅へ。

考えてみれば、たまたま電車で乗り合わせた他人が浴衣着てるぐらいでは気にならない。私にとって最大の難関のように思えていた、「一人で浴衣で電車に乗る」ことは拍子抜けするくらい何でもなかった。

烏丸か河原町のどちらで降りるか迷ったが、人が少なそうな河原町で降りることに。どこに何があるかろくに調べてこなかったので京都の人間らしき初老の夫婦のあとをついて行く。奥様の着物が大変素敵だった。一見さんお断りの店が並ぶ通りを抜けて四条通へ。夫婦のあとをつけるのはやめてとりあえず八坂神社に向かうことにする。


人でごった返す八坂神社

なんとか参道を上がるが、あまりの人の多さに辟易してすぐに降り、また四条通へ。途中でお囃子や三味線の演奏を見るのに自由に立ち止まれるのが一人のいいところだなあと思いながら歩く。次は山鉾を見よう、と思うがどこに山鉾があるのか全くわからずぐるぐる歩き回る。なんとか山鉾を見つけたときは嬉しかった。

歩き回ってようやく見つけた山鉾(放下鉾)

山鉾の多い通りにたどり着けたのか、一つ見つけてからは何個か見つけることができた。履き慣れない下駄で足の疲労が増し、おなかも減ってきたのでコンビニでおにぎりを買って食べる。屋台は全部スルーした。友達といてもあまり積極的に買おうとは思わないが、屋台の食べ物は美味しいとかではなく、祭の雰囲気とか思い出に対してお金を払っていると思うので一人のときはなおさら食べる気にはならない。

帰りはまた河原町まで歩いた。ところどころに提灯があり、恐らく祭ではなく仕事の帰りであろうサラリーマン二人が千鳥足で歩いているのがなぜかわからないけどいいなと思った。

気の合う友人が出来てからは彼らのうちの誰かと出かけるのが一番楽しいと思っていたけど、一人で出掛けることが思ったより楽しくて、今の自分が一番求めているのは一人で出掛けて、それを友達に話すことなのかもしれないと思ったりした。

今回の反省はただ一つ、せっかく浴衣を着たのに自分の写真が一枚もないこと。次は適当に誰かに声をかけて撮ってもらうことにします。

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