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口紅一本の魔法

〜心の病の、わたしなりの朝のルーティン(身支度)〜 


病が悪化してから、以前は普通に出来ていたルーティンが苦痛になった。

わたしの場合の朝のルーティン(主に洗顔、スキンケア、メイク、ヘアセット、着替え、朝食)ストレスが、療養中のため規制された時間がないので、ゆっくりとこなせるのに、何故か酷く億劫になり出来るだけ時短で全てを終えてしまいたいと思うようになった。

とりわけ洗顔、スキンケア、メイク、ヘアセット、着替えは、はっきり言えばしたくないのだが(某YouTuberさんが、女子の朝活は楽しいとはしゃいでいるのを見て、健康だから言える言葉だよ…と、毒づいてしまった)でもどうしても重症化する以前は普通にこなしていたし、出来ない自分が嫌いだった。


・洗顔…洗顔ネットで石鹸を泡立てる作業が…とにかく苦。


・スキンケア…大雑把に、化粧水、乳液、美容液の工程がマンネリ化で…とにかく苦。因みに全部プチプラを色々試して
厳選したアイテムのみ。


・メイク…プチプラの寄せ集めのメイク道具一式を見て、顔をつくる作業が…とにかく苦。


・ヘアセット…病が原因で、自傷で髪をハサミで切ってしまったのが、約2年前。今は、大体肩につく程度の長さ。ヘアセットなんて、以前、コテでウェーブヘアに巻いていたのが、いい加減…苦。


・着替え…正直に告白すると、わたしは服依存症でもあります。それこそ、小さい頃から、お洋服のコーデが大好きで、今日はどの服を着ようか、楽しいと思えた頃から一変し、クローゼットの中にぎゅうぎゅうと押し込まれた服たちの中から、コーデするのがストレスになり…苦。

この、朝ルーティン5大ストレス…実は今全て改善されています。
小さな脳みそをフルに活動させて、また、友人のアドバイスも得て今は朝のルーティンが、楽しくもなりつつあります。


【朝ルーティン5大ストレス工程、わたしなりの攻略】

・洗顔…泡だて不用の泡洗顔に変更。かなりの時短。

・スキンケア…オールインワンを使用。マンネリ化…消滅。

・メイク…もともとオカメの白肌なので、(目元のシミが少々気になりますが)唇の美容液と赤い口紅で済ますことで、解決。それに、わたしの場合メイクすると実年齢より年増に見えて、化けるという行為が真逆のコトに思えて…。高い粉はたいて厚化粧するより、出来るだけナチュラルなメイクを心掛けています。 

・着替え…病の身なので、仕事や、人前に出るということがなくなったので、新しいお洋服はなかなか買えないけれど、今迄の収集してきた服の中から、3コーデぐらいを作り、それをグルグル着回す。
飽きてきたら、収納ケースの中の手持ちの服から、いくつか待機していた服を引っ張り出して、新しいコーデを作る。はあ…せいせいした。暫くは服選びに困らない。

この、解決法も病の身だから出来たことで、健常者の方々には通用しないと思います。それでも、病の身でも、いわゆる普通に出来ている事に、人達に、本当はわたしも、朝メイク楽しい!と言えるような人間になりたいのが本音です。お仕事をしてそのお給料内でお洒落なコスメを買ったり、実際に使用してみたり…ファッションやコスメが大好きな女子なら理解頂けるかもしれませんが…今のわたしには、遠い夢の世界のことです。
わたしの病は完治できない病なので、良くて寛解かんかいなので、夢のままで終わってしまうかもしれませんが…でも、調子の良い時はフルメイクをしてみたりもしますが、精神的にとても疲れます。
先ほども書きましたが、でも…それでもポイントメイクで構わないから、お顔の一部分に、自分もメイクをしているのだという意識…それがわたしにとっては口紅なのです。
おかめなので、熟した林檎のような唇が、映えてくれて弟にも、
「あれ?今日メイクしてるの?」
と、訊かれて内心ウシシと笑っていました。
「してないよ。口紅だけ」
凄いな口紅…。
まあ、普段全くメイクしない姉が、夜の家族団欒だんらんの中、急にフルメイクをしているかの如く現れたら、そりゃあびっくりしますよね。

でも、それが、口紅一本の魔法だったりするんです。
ちょっとうろ覚えなのですが、小説家の江國香織さんが、昔、無人島に持っていくなら化粧道具は(誰ひとりいない場所に行くのだから)、口紅だけと答えられていました。
その潔いスタイルに、ああ、こんな女性になりたい…と、思ってしまいました。

だからというわけではないけれど、今日もわたしは口紅だけで、過ごしています。

因みに、わたしの口紅のこだわりで、口紅の色。季節に合わせて色を変えています。
現在は、深い熟れた林檎のような、赤系の口紅です。ちょっと今のわたしには大人すぎるかな…と背伸びしている感もあるのですが…。

1月の末。わたしの住む関東圏内でもちらほら雪がふり始め、本格的な冬を迎えています。療養中なので、社会人の方や学生さんらの体感している冬の寒さは実感していないのですが、たまに玄関を開けて外の空気の冷たさに、こんなに寒かったんだ!と、驚くことも。

最後に、朝、友人が、梅の花の蕾を見つけましたよ、とメールで教えてくれました。真冬の中にいても、春は水面下で着々と近づいて、出番の準備をしているんですね、と。

春になったら、可憐なシアーピンクの口紅をきっと塗って、春気分に浸っているのだろうな。









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