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鳥籠姫シリーズ

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中学時の恩師に捧げた、ふありの書斎の処女作です。 日頃書いている少女小説とは異なる、童話のような雰囲気の優しい物語です。 是非、一読してみて下さい。
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#メルトゥイユ

鳥籠姫 act.1

鳥籠姫 act.1

いとおしい小鳥
きみはぼくだけの
いつもそばで歌っておくれ

あなたの願いはどんなことでもかなえてあげたかったの

だけど願いだけここに残してあなたは消えた

永遠の旅へと

海の見える丘の家に

時間だけが静かに積もる

わたしはわたしを ここに閉じこめた

柳の枝で編んだ鳥籠

 ある海の見える丘に、一軒の小さな家が建っていました。広々とした丘にぽつんと建つ姿は物寂しく、海から流れてくる風だけ

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鳥籠姫   act.4  

鳥籠姫  act.4  

 澄み渡った空気の中、白銀の雪はやむ気配がありませんでした。街医者の診療所から、若い医者の青年と、メルトゥイユを乗せた二輪馬車は吹雪に抗うように丘を登って行きます。特別二人に会話はなく、強いて言えば、お互いの名前を交換するくらいでした。
「僕はフェリックス。街で開業医の父から引き継いで医師をしています。まだまだ経験不足ですが、苦しんでいる人たちを救いたいという熱意だけは自負しています」
 二輪馬車

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