お題アリ300字ノベル 『君がブロッコリーみたいな終末』

「今日は君の番だよ。茹でるのは私。」
浜辺に来た。ブロッコリーを茹でるには海水がちょうどいい。
人類の遺産はブロッコリーしかなかった。崩壊を免れた地下施設の。
でも、今日が最後の日だ。もうこれで食料はない。
「海にはまだ食べられるもの、住んでないのかな?」
「タコとかさ!茹でると色が変わるのがいいよね。ブロッコリーは茹でても何も言わないもの。」
「ああ、君は最後まであの緑色の野菜と同種なのかな?もしかしたら、そいつよりも感情が読めない奴だよ。」
「最後くらい、君も泣きじゃくって茹でダコみたいにさ、真っ赤になっていたらいいのにな。そんな君を見てみたかったな。」
「私だけ茹でダコなんてさ、格好がつかないでしょ?」


▫️お題は『SF、海、赤、ブロッコリー』でした。
最初の3つは予め物語を書くことは知らされず自分で設定したものですが、ブロッコリーは指示されたものです。この緑によってかなり苦戦を強いられましたね。

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