今日の自分を喜ばせる その3

麻雀ボランティア

自宅から歩いて1分ほどのところに老人介護施設がある。
1回はデイサービスのお年寄りの方々がお風呂に入ったり、体操をしたり、ぼんやり過ごしたりというフロアになっている。
2階以上は滞在型の施設になっている。
4階建ての中規模の施設である。

何年か前まだ母が歩くことができる頃、この施設は完成した。この建物のオーナーは母の弟だったために優先的に入所できることになっていた。その頃、ちょうど母は急激に認知症が進み、あれよあれよという間に寝たきりの状態になってしまった。
夜中に転んで頭を打ちその怪我の手術をして以降のことだった。
新しい介護施設への入所を決めていたにもかかわらず、母がその施設に入所することはなかった。
施設の人たちは母が寝たきりの状態であっても入所を断ってきたわけではなかったが、グループホームで他の認知症の方と関わりを持ちながら過ごすことができる目的であったために、母がその施設に入所するにはもうその目的を果たせないと思ったからだ。
その後母は、2年間は自宅で、その後2年間は病院で寝たきりの状態で、
コロナでほとんど見舞いに行くこともできずに病院で亡くなってしまった。
そんな母の因縁のある施設でデイサービスに来るお年寄りの方と麻雀をするボランティアをすることになった。
今日はその初めての日でした。近所の知り合いの方の勧めで行くことになったのだか、
施設の中は初めて入った。
認知症の方やそうでない方も、この施設の1階にあるお風呂に入りに来ている。
なぜかここに母がいるような気がして、ふと探していた自分に驚いていた。
いるはずのない母を。
そしてこの施設の2階以上のどこかの部屋にいてくれたらなぁとどうしようもない。
思いが頭の中に浮かんでしまった。

麻雀で遊びに来た顔をしながら、頭の中は寂しさや後悔が浮かんでいた。
麻雀はもう50年も賭け麻雀をやっていた車椅子のおじいさんと私と同じボランティアで初めて麻雀をするおばあさんと施設で働いている若いお兄さんの4人ではじめました。

1時間だけのお遊びの麻雀でしたがみんな楽しんでいたと思います。
そして何より私も楽しみました。 
母が入るはずだった施設で今日、私は何人もの知り合いができました。

そしてそこで麻雀を一緒にすることを楽しみました。
母はもういませんが、母に少し近づいたような気持ちを持つことができました。
こんな風に母を思い出すことができて、良かったなあと思います。

来れる時はまた麻雀をやりに来ようと思いました。
麻雀の間中、施設の中は昭和の歌を歌うおばあさんたちの声がずっと聞こえていました。

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