君に不動産投資をススメナイ理由
前回の記事で書いた通り、息子である君に不動産投資はおススメしない。繰り返しになるが、もしやるとしたら君が以下のどちらかに当てはまる場合が良いと思う。
① 業界関連の仕事をして知識・経験・人脈がある
② 不動産が好きで好きで仕事にしても良い
止めた方が良い理由は以下の通りだ。
① シロートが参入し儲かりやすい時期は過ぎた
自分が社会人になった頃は不動産投資は今ほど一般的ではなかった。
地主や遺産相続で物件を引き継いだケースを除くと、サラリーマンの不動産投資は99%儲からない新築ワンルームマンションくらいだった。
しかしバブルが崩壊した1990年代後半から不動産の価格がどんどん下落していった。もちろん投資用物件もだ。
そういった物件は限られた投資家が購入するが、金融機関は不良債権処理に追われ容易に融資しなかったので買い手が少なく需給バランスが崩れた。
その結果どうなったかというと、都内近郊で利回り10%以上、地方であれば20%近い利回りの物件が売りに出される状況になった(地域と物件によっては50%以上のものもあったらしい)
当時は今では当たり前にある不動産投資の専門サイトなんてなかったから、売り主も不動産業者も金融機関でさえ正しい値段を把握できていないケースがあったのだ。
いわゆる市場の歪みと言うやつだ。
そこに目を付けた手持ち資金と融資を引ける信用のある一部のサラリーマンなどが、売っても貸してもどう転んでも利益の出る不動産を手に入れることができた時期があった。
しかしそんなオイシイ時期が長く続くワケはない。
それに気づいたプロやセミプロがどんどん市場に参入してきた。結果利回りは大きく低下した。
最初は一棟物件に、そして築古戸建てに、それも飽和すると今度はほとんど事業のようなシェアハウスやホテル、介護施設などに移っている。
もはや市場の歪みはほとんどない。
不動産投資の専門サイトがいくつも立ち上がり、たくさんの業者がセンデンし有料・無料数多くのセミナーが開催され、物件も融資も、なんなら客付けも管理もすべてお任せでできるような状態になった。
投資家がやることは購入と借り入れの用紙にサインをすればOK牧場だ。
そんな状態になってしまったらズブの素人が勝ち残れる可能性はとても低い。カジノでプロやセミプロばかりのルーレット台で勝負をするようなものだ。そしてサイコロを振るディーラーは腕利きのイカサマ師だったりする。
② 物件と入居者(賃借人)手に負えない場合がアル
シロートには物件の問題点(欠陥)を見抜くのは難しい。後で発覚し追加投資が必要になる。
それでもお金で解決できるのであればまだ良いが以下のような事故があった場合は大家として民事責任を負う可能性があることは知っておいた方がヨイ。
欠陥物件をつかまされて借りてがつかず、民事で賠償責任を負うことになったら資産を増やすどころのハナシではない。
入居書についても同様だ。極端な例では以下のような事件が起こっている。
ここまで極端なケースは稀かもしれないが、最悪こういったリスクに対応できるだけのマインドと時間、金銭的余裕があるかは考えておいた方がヨイ
以下のような記事を書くニンゲンもいるが話半分で聞くことだ。ちなみにこの人は以前ワイン投資を盛んにススメていたがその投資先がどうなったのか調べておくとヨイ。
煽り気味の記事を書くニンゲンほどポジショントークだったり、何か問題あっても素知らぬ顔でスルーする。
③ 正直不動産は珍しい
不動産、建築そして金融業界は温室で守られているサラリーマンにとっては非常に手ごわい相手だ。もちろん真っ当な人もいるが、素人や初心者はカモとしか見ていないニンゲンが少なくない。
しかし売るにせよ、買うにせよ、管理するにも建築するにも彼らに頼らざるを得ないため自分でも勉強しておかないとイタイ目に遭うことにナル。
どんな世界なのかは以下の書籍を読んで勉強することだ(漫画だが中身のナイハウツー本なんかよりよほどタメになる)
前回の記事に書いたが、自宅を含めた不動産購入は運が左右する。しかし運任せにせずきちんと知識と経験を積めばある程度のリスクは回避できる。
繰り返しになるが以下どちらかに当てはまり、自分でもきちんと勉強してペーパーアセットにはないリスクに向き合う覚悟があるならやってみたらよい。
① 業界に関連した仕事をし知識・経験・人脈がある
② 不動産が好きで好きで仕事にしても良い
不動産投資をすると確定申告をすることになるし、法人を作るのであれば決算書も作成する。
これらはとても勉強になるし視野も広がると思う。自分自身は資産構築そのものと同じくらいの目に見えないリターンが得られたと思っている。
※掲載する情報は投資勧誘を目的としたものではありません。株式などの金融商品や不動産の取引は損失を出す恐れがあります。
掲載する記事は個人の趣味として記載しているものであり、提供される情報は読者の方々にとって適切であるとは限りません。またその真実性、完全性、正確性、いかなる特定の目的への適時性について保証されるものではありません。投資においては全て自己判断、自己責任でお願いいたします。いかなる損失が出た場合でも責任を負うことはできません。
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