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富裕層限定の秘密の金融商品

プライベートファンド、オルタナティブ投資など、新NISAと日米株高の流れを受けて、これまで一般には聞きなれないワードがよく流れてくるようになっている。こういった横文字ワードは定期的に囃し立てられるのでよく注意した方が良いと思う。

大抵の場合、運用または販売する金融機関が手数料の高い商品を売りたいためのマーケティング戦略だったりする。これは企業活動においても同様で、仕事の欲しいコンサル業界などが同じようなことをしているので投資の世界に限らない。

上記のような商品説明で目につくのが「これまで一般の個人はアクセスできなかった~」とか「富裕層が利用する~」といったワード。

こういった説明をされると、誰でも購入可能なオルカンやS&P500連動のインデックスファンドなんか比較にならないような、富裕層だけが利用できて必ず莫大な利益をもたらず秘密の投資先があるって思わないか?

そう思った君はすでに販売側の手の内で踊りかけているのかもしれない。

確かに莫大なリターンをもたらす商品はあるかもしれないが、よく考えればリスクも同じように大きくなるはずだ。

そういった商品を富裕層に販売するのは、多額の資金を運用している富裕層ならダメ元でほんの一部の資金を振り向けることができるからである(そのほんの一部が数億円といった単位だったりする)。

こういった高リスク商品によく分からず手を出して高額な手数料を支払った上に、投資元本を失ってしまうことは珍しくない。そして、中には投資した資金を失うだけでは済まずにそれ以上の負債を負う場合があるので本当に注意が必要だ。

その実例としては、世界有数の自動車グループのトップであったカルロス・ゴーン氏が金融商品取引法と特別背任容疑で起訴され、保釈中に日本からレバノンに逃亡した事件がある。

起訴容疑はいろいろとあるようだが、私的な投資の損失をグループの日産自動車に付け替えていたことがその一つとされている。

そしてその投資は取引銀行からの提案による金融派生商品、横文字でデリバティブと言われるものだったようだ(デリバティブの危険性については自身で調べて欲しい)

ゴーン氏の日産自動車からの報酬は約10億円と言われていたので富裕層に分類されるが、この事件からは富裕層向けの秘密の金融商品が必ずしも高いリターンをもたらすわけではないことが分かる。ゴーン氏の例では金融資産の損失だけでは済まず自身の身の破滅の引き金にもなったのだ。

なお、世界一の投資家で世界第5位の富裕層でもあるウォーレン・バフェット氏が投資家に薦めている投資先はS&P500連動のETFである。この商品は(ETFに連動した投資信託含め)一般の個人投資家が誰でも低コストで購入可能だ。

最近日経新聞の一面を使って広告を出したオルタナティブファンドと比較してどれくらいのコスト差があるかと言うと以下の通り。

① 三菱UFJ-eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
・買付手数料 無料
・信託報酬 0.09372%以内
・信託財産保留額 無料

② ノムラ・ファンドセレクト ブラックストーン・プライベート・エクイティ・ストラテジーズ投信
(世界の非上場株式を主な投資対象とする日本初の追加型公募投資信託)
・買付手数料 0.55~3.3%
・運用管理費用 1.5%
・管理報酬 1.25%
・管理事務代行報酬 0.3%
・信託財産保留額 0.3%
・成功報酬 リターンの12.5%
・その他 設立報酬として5.000米ドルと管理報酬5.000米ドル(いずれも1回限り)、各種報告書作成費用、弁護士費用、監査費用、登記費用、各種手数料、税金等の実費

このファンドが手数料に見合ったリターンをあげてS&P500を上回ることができたのか数年後に確認してみたいと思う。

※掲載する情報は投資勧誘を目的としたものではありません。株式などの金融商品や不動産の取引は損失を出す恐れがあります。

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