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投資は不労所得なのか?そして最強の投資家とは?

投資による利益は大きく二つある。それは配当や分配金、株主優待や家賃など定期的に入金される収入(フロー)と株価や地価などが上昇して資産価格が増える(ストック)で含み益と言ったりする。

ちなみに投資信託は配当を再投資し入金がないものが多い(その方が長期資産形成に向いているからだ)

そしてフロー部分を不労所得と呼ぶ。字の通り自分で労働せずに収入を得ることができるからだ。最近は「お金に働いてもらう」などと言ったりする。

日々必死に労働してサラリーを確保している労働者からしたら働かずに収入が得られるということは夢のような話に思える。その言葉に憧れFIREを目指して投資を始める人も少なくない。

しかし自分は不労所得という言葉には違和感がある。投資は決して不労だとは思っていないからだ。

労働の定義はいくつかあるが、分類のひとつに「肉体労働」「頭脳労働」「感情労働」という括りがある。完全に分けられている訳ではなく、どの領域の比重が多いかで分類されているのだが、ざっくり説明すると以下のとおりになる。

・肉体労働 
一次産業、建設業、製造業などでブルーカラーと呼ばれたりする

・頭脳労働
コンサル、企画開発、研究職や医師、弁護士などの士業でホワイトカラーと呼ばれる

・感情労働
接客をする販売員、窓口、コールセンター等の仕事

このうち感情労働は比較的新しい概念で、以前は他のどちらかに分類されていた。

確かに株式などペーパーアセットへの投資は、ネット画面にログインしてクリックすることで簡単買える。あとは配当を待つだけだ。使う筋肉量はごく僅かなので肉体労働とは呼べないだろう。

しかし投資をはじめて気づくと思うが、他のふたつの「頭脳」と「感情」の労働は相当使う。

まず、投資対象の選択だ。投資の世界にはいくつかの最適解が存在するが、投資家の投資資金を狙って多くの人々が様々な金融商品を広告・宣伝・勧誘し、時に騙し脅して手数料や資金そのものを自分のものにしようとする。

これらを”かいくぐって”最適解にたどり着くには相当「頭脳」を使うことになる。書籍や新聞、ネットで勉強し情報を選別し知識やスキルを学ぶ。失敗すると最悪資金を失うどころか莫大な債務を背負うことになるからだ。

また、「感情」についても同様だ。
特に投資をはじめたばかりの頃は市場の動きに一喜一憂する。株価が上がったら浮かれて仕事中に株価の画面を気にするし、売ってしまおうかと悩んだりする。また逆に暴落でもしようものなら、ショックで投資をしたことを後悔する日々が続くのだ(人は損失について利益を出した時の倍のダメージを受けると言われている)。

実物投資である不動産投資はもっとやることがあり大変だ。コストを抑えるためにDIYをして肉体の労働力を投入している投資家も多い。

投資をやったことがない人々はこういったことを知らないので「投資」は汗をかかずラクして稼ぐ「ズルくて汚く卑しくて」得た利益は「あぶく銭」だと考える。タチの悪い人は「あぶく銭」なんだからとタカってきたりもスル。

だが、お金を稼ぐというのは「労働」にせよ「投資(資本投下)」にせよこういった労力を投入するものなのだ。そして投資家はそれに加え、労働者が通常負担しない投資資金を失うリスクも負担する。

決して「不労所得」という言葉の響きに騙されないようにしたい。

初心者向け、ほったらかし、待つだけ、お任せ、主婦の私でも~、バカでもOKなどの「無知」「不労」を前面に出した勧誘ワードは想定外の結果を招く可能性があるので注意してほしい。

投資をラクして稼ぐものと考えている人ほどこの手のワードに引っ掛かりやすいのだ。

ただし、中には本当に「頭脳」も「感情」も使わない人もいる。投資自体に興味がなく、善良で賢明な親族・友人に薦められてiDeCoやNISAでオルカンやS&P500を毎月自動で積立て定年まで放置する人だ。

投資の王道である「分散」「長期」「低コスト」を不労で実現し最小限の労力でリターンを手にするであろう、ある意味最強の投資家と言える
(イメージとして男性より女性が多い気がする)

君も投資に興味がないのに資産を築きたかったら、このような最強の投資家になると良いと思う。

※掲載する情報は投資勧誘を目的としたものではありません。株式などの金融商品や不動産の取引は損失を出す恐れがあります。

掲載する記事は個人の趣味として記載しているものであり、提供される情報は読者の方々にとって適切であるとは限りません。またその真実性、完全性、正確性、いかなる特定の目的への適時性について保証されるものではありません。投資においては全て自己判断、自己責任でお願いいたします。いかなる損失が出た場合でも責任を負うことはできません。

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