株は暴落してから買え!はシロートの意見
米国株の代表的な指数であるダウやS&P500が史上最高値圏で推移する中、ちまたでは株価暴落説を唱える人たちをチラホラ見かける。
某経済アナリスト兼大学教授などは暴落して100年、200年戻らないかもしれないとまで言っているようだ。
もはや20世紀末に大流行したノストラダムスの大予言みたいな話である。
*16世紀の預言者で1999年に人類が滅ぶと予言していたとされる。昭和の小学生の9割以上が信じていたという説アリ
彼らが言うところの暴落の根拠はイロイロだ。
・米国の金利が逆イールドになったから・・
・米国の商業用不動産市場が下落しているから・・
・市場にマネーが溢れているから・・
それを真に受け株価が暴落してから投資をしようと考える人々がいる。
新NISAが始まって周囲が積み立てを始めても枠を使うことなく現金を握りしめ「オルカン」や「S&P500」の暴落を一人じっと待ち続けている。
そして暴落がきたら周りがうろたえる中、一人底値で購入しメシウマとドヤ顔をWでゲットするのだ。
それはまるで獲物を狙って草むらにじっと身を潜めているトラのようだ。
しかしその戦略はなかなか難易度が高いし、思ったような効果が得られないことが多いことは知っておいた方が良いと思うぞ。
自分の同僚にもまさに暴落を狙っている人がいる。彼はFXで痛い目にあって数百万の損失を出した後、撤退して資金を手元にプールしている。
米国株のパフォーマンスの良さに興味を持って自分にイロイロ聞いてきた。コロナ禍のだいぶ前のハナシだ。
人間的には楽しくて良い人なので、知っている限りの知識を伝えたのだが一向に投資を始めない。
会社から賞与が出ても・・
コロナで株価が下落しても・・
新NISAが始まっても・・
一向に草むらから出てこない。
彼が草むらに身を潜めていた5年間でS&P500は年率15%上昇してきた。
結果株価は5年前の約2倍になっている。
なぜ彼は狩りに出なかったのか?
理由は株価が常に最高値を更新しており常に暴落が叫ばれていたらだ。
そしてコロナが世界中に蔓延して、まるでこの世の終わりがくるかのような報道が連日繰り返され、株価が下落しても「まだ下がる」と待ち続けた。
コロナショックの下落率は約30%だが、彼のアタマにはリーマン・ショックの下落率50%がインプットされていたからだ。
彼は世界中で亡くなる人が続出するパンデミックなら軽くリーマンを超える暴落になるハズと考えた。しかし彼の読みに反して株価は僅か5カ月でもとに戻ってしまった。
絶好のチャンスを逃したのだ。
チャンスを逃した彼は次のチャンスを待って今も草むらでスタンバイしてイル。
今まで長年待ったのに今更最高値圏を推移している水準で買うのはとても損をした気分になるからだ。
次は必ずやリーマン級の暴落がクルはずだと信じて今も待っている。
そんな彼に自分は残酷な事実を伝えられずにいる。
明日リーマン級の暴落が到来し株価が半分になり、彼が運よく底値で購入できたとしても、それは5年前に彼が高値圏で見送った株価と変わらない水準であることを。
そしてもし今の円安水準で購入したら、むしろ当時見送った株価より割高で購入スルことになることを。
評論家やアナリストといった人たちの中には「暴落したら買えばよい」とかもっともらしい発言をする人が少なくない。
しかし会社の同僚のようにタイミングをみて買うことはナカナカ難易度の高い戦略なのだ。
株価がどこまで下がるのかはその最中に分かるはずがナイ。そして底値で買ったつもりが実は全然安くなかったなんてことが起きたりする。
ホンキで投資したことなんかないシロートの意見だからスルーするのが正解ダ。
トラの狩りの成功率は7%程度らしい。
暴落を待って待って待って運よく底値で買える確率よりは高いのだろう。そうでないと動物園のトラ以外はみんな絶滅してしまうだろうからな。
ただ、狩りの成功率の中にはウサギやネズミのような小動物も含まれているらしい。
暴落を待ち続けて得られた利益がネズミのような小ささだったら、それはちょっと悲しくないか?
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