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ストレスと独り身とホテル暮らしとーセカンドシーズン【第3回・東京都馬喰町編】

 2022年4月13日の夜。時間に追われてバタバタしながら宿泊地に向かうのは嫌いだが、先月から非常に仕事が忙しく、こんな時間になってしまった。

 問題発生……本気で迷った。地下鉄駅の出口からは近いのだが、初めての街のうえに夜道。しかも、駅の近郊には4棟の愛人がたむろしており、あっちこっち彷徨った結果、全ての愛人を訪問してしまった(実話)。
 そんな私をいつものアイツが嘲笑う。

東横イン:「フヒヒ、御愁傷さまWWW」

 やっと本命の愛人に辿り着いた。

今夜の愛人『アパホテル・日本橋馬喰町駅北』である💖

 本日の東京はほぼ夏日。そんな中を歩き回って汗ばみながらのチェックイン。今回はじゃらんのスペシャルウィークのクーポンを使用し、朝食付きプランで¥4670。
 アパの自動手続きマシンを操作中、隣で同様の作業をしていたスーツのオッサンが「ちくしょう~……」と小声で呟いてた。人間、歳をとると新しいシステムを受け入れ辛くなるね。

 今夜の客室は6階。アパ名物の換気良過ぎ廊下。真冬は長時間居ると危険。

 アパのシングルでも著しくコンパクトな客室。相変わらずテレビはデカイ。

 窓からの夜景。現在は無味乾燥なオフィス街だが、江戸時代には馬場が有り、馬や牛を売買する仲介人である『博労』が管理していた。で、馬喰町(私は使えなくなった馬を馬刺しに加工していた町だと真面目に推測してた)。

 こいつは……狭いな。脚をしっかり伸ばせない湯舟は湯舟として認めたくない。ただ、清潔感はしっかりしている。

 よく見るとアパ仕様のミネラルウォーターが配置されていた。正直、アパカレーよりはありがたい。

 腹、減った。が、近くを見て回っても居酒屋が点々としているだけで、私の食指が動く店が見つからない。ここにきて「炭焼き牛たん」という文言にぶち当たる。このまま彷徨っても良い店に出会える保障は無い。階段を上って入った先ー

「ぎゃははははッ!! それでさあ~~、アイツが! オレって大阪と梅田の区別がつかないんすよねぇ~!(?)」
 
しくじった。牛たん屋を装った居酒屋だ。中はほぼ満席で、仕切りが一枚も無いテーブルで酔っ払い共がコロナ感染者の増産をしていた。
 そこで注文したのが炭焼き牛たん定食¥1900。漬物付きの牛たん、厚揚げ、テールスープ、大盛麦飯のセット。店内が薄暗くて全体的に茶色。そして、肝心の牛たんが……不味い。やたら硬くて牛たん独特の食感が死んでいる。味付けも塩味が強すぎて折角の風味が消されてる。
 久々に店選びで失敗した。

 夕食での敗北は私にとって甚大な被害。ホテルに戻った私は、コンビニで買った酒(CCレモン)とつまみ(カールもどき)で晩酌。枕元に飾られた鶴の折り紙が憐憫の目で見てる。

 ウクライナ侵攻のニュースを聞きながら湯舟に入浴剤を入れ、挫折感を少しでも癒す。ああ……翌朝の朝食が救いでありますよ~~に(迫真)。
 おやすみ、馬喰町。

 曇天。おはよう、馬喰町。本日は一日中小雨の予報。客室の防音設備が甘いせいか、早朝から隣の道路の騒音が耳障りで仕方なかった。

 1階の朝食会場『九州居酒屋かてて』。またしても居酒屋だが、昨晩の店とは違って雰囲気は良好。バイキング形式で食べたいおかずと白飯と味噌汁を頂く。
 ここでガチの謝罪。一番隅っこの席にお茶の入ったコップが一つ置かれていたが、私は食事後に回収し忘れたのだと思い込み、それを向かい側に移動させ、テーブルにおかずを満載させた御盆を置いて占拠した。で、白飯と味噌汁を配膳していると、スーツ姿の兄ちゃんが席を横取りされて戸惑ってた……

 大変申し訳ないッorz!!

 ああ~~旨そう☺(現実逃避)。鶏の竜田揚げ、鯖の塩焼き、卵焼き、小松菜の御浸し、青菜の胡麻和え、ナムル、筍の土佐煮、オレンジジュース。そして、野菜タップリの味噌汁と冷奴と御飯。
 九州産の食材を使った豪華な朝飯。どれも滋味溢れる良い料理だ。朝から鶏の竜田揚げは重いのではと思われるかもしれないが、朝から平気で血脂滴る焼肉だって平気で食える私には些末な事。

 客室に戻ってデサートタイム。昨晩にコンビニで買っておいた2種。抹茶のオムレットに紅茶のチーズケーキ……口の中がまったりと幸せになるひととき。

 朝風呂を楽しみ、制限時間近くまでゆっくりしてからチェックアウト。
 今回の一泊は色々と失敗して勉強になった。まず言えるのは、よく分からん街に一縷の望みを持って突っ込まない事。
 さらばッ、馬喰町!

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