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ストレスと独り身とホテル暮らしとーサードシーズン【第13回・神奈川県元町中華街《後編》】

 時代の波に放置されたペッパーくんの亡骸を横目に、私の散策は続く。

 『横浜大世界』ー 壮大なタイトルの館の中は、それはもう壮大な催しが展開されて…………
 いまいち用途が思いつかないパンダの親子がグッタリしてたり、謎のコラボ空間が構築されてたよ。

 その上、バラエティー番組で確実にイジられそうなガチャも設置されてる始末。たった¥1000で『PS4』や『任天堂スイッチライト』が手に入るチャンス!! ……ユーチューバーが全部のカプセルを開封し、店長と揉める未来しか見えない。

 中華系の寺社仏閣と公園。日本式とは対照的に派手な装い。

 『チャイナスクエア』という中華街の軽い闇。一応、奥に進んでエレベーターで雑居ビルの中を見てきたが、うん……観光客は殆ど寄り付いてなかったよ。

 そろそろホテルに帰ろうかと思った私の視界に入った光景。一人でジッと眺めてると微妙に鬱になるので注意。

 野球に全く興味が無い私でも分かる『横浜スタジアム』近辺をウロつき、特に何も無い事を確認してからホテルのフロントへ。
 今回はじゃらんで軽めのクーポンを利用し、無料朝食も有りで¥6300。やはり横浜の元町中華街というネームバリューのせいか、朝食が無料扱いでもこの額。しかも、前回の新千葉のスーパーホテルとは違い、温泉大浴場は無い。

 非常に簡素な空間。

 狭くて薄暗い。特に汚れてはいないし、損壊は無いのだが……

 曇りガラスでも分かる。窓というか換気口……その向こうに見えるのは、眺望無しという名のエアコンの室外機。このマイナスはデカイ。

 一見すると綺麗なのだが、トイレットペーパー脇の壁に茶色の汚れ……そして、小バエの蛹みたいなのがくっついてた。明らかに掃除した痕跡が無い。で、ベッドの脇には珪藻土を天井に使ってるアピール。健康的に保つのは珪藻土より掃除だと思う。

 ディナータイム。中華街大通りに再度行ってみると、真昼間とは違って往来する人間の数はやたらと減っていた。落ち着いて食事できそう。
 私は飲食店の予習をあまりしない。現地に直接行き、己の五感で店を選ぶ方法が好き。
 むッ、私の食指が動いた。こちらの『廣東飯店』だ。よくできた食品サンプルは高い。つまり、高品質なサンプルを並べる店はある程度の資本力を持っており、食材や調理にも金をかけられる筈(自説)。

 店内は喫茶店のような雰囲気で、まだ時間が早いせいか、客は僅か。

 メニュー表を見る。こいつは……なかなかの御値段💦 私見として、中華街の飲食店は、学生向けのリーズナブルな食べ放題系か、そうでないかの二つに大別できる。で、『そうでない』方は急に値段が跳ね上がるのだ。
 コスパ的な事を考えながら厳選した結果ー
 豚バラ炒飯¥1400と白身魚の甘酢がけ¥1650を注文。おお~、これは巧みの仕事だ。実に香ばしい炒飯……餡を纏った青梗菜と一緒に食べると、これがまた旨い😃 上に乗った豚バラの角煮はこの店の名物らしく、トロトロで柔らかく、上品な味付け。そして、もう一皿は、葱とサヤエンドウとパイナップルが入った、丁度良い甘酸っぱさの白身魚の揚げ物。うん、白身魚は淡泊で美味しい。

 中華の総本山で本格中華を愉しんだ後は、コンビニでスイーツを購入して客室に帰還。チーズケーキ系の商品を見つけると、どうしても試したくなる性質。そして、普段飲みたくても胃腸がカフェインを嫌うせいで飲めないコーヒー……そのスイーツを優先してしまう。ああ~、舌がまったりと🥰

 横浜博覧会で買った湘南ゴールドサイダー¥255。不味くはないが、少々大味で甘味が下品。

 一日の終わりを締めくくる癒しが入浴にはあるハズなのに、湯舟に湯を入れて浸かって初めて気がついた。このユニットバス……狭いだけでなく、本気で汚いッ🤢 至る所に黒カビが繁殖しまくってるぅぅぅぅぅ!!
 年季に比例して細かい傷や損壊のある風呂場は時々経験したが、あからさまに長期間掃除してないのは初見。驚愕の酷さだった💦 しかもこの後、泣きっ面に蜂を身をもって体験してしまう……

 緊急事態発生!! 緊急事態発生!!

 ド深夜の3時、急激な胃の膨満感と吐き気で目が覚める。げっぷが止まらない……今にも便器に顔を突っ込みたくなる。ヤヴァイ……こりゃ明らかに今日食べた何かにあたったな😢
 この後、私は断続的な下痢に見舞われ、結局、一睡もすることなく朝を迎えてしまう。当然、例の『健康朝食(笑)』は食べるワケにはいかず。収容所のような客室で、チェックアウトの時間まで安静にしてたよ。
 いやぁ~、今回はリアルに運が悪かった。半分苦行のようなホテルステイとなってしまった。
 さらばッ、元町中華街!



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