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ミッキー先生の絵本ゼミ第3回報告

科学絵本とは何か
 9月からミッキー先生の絵本探求ゼミを受講しています。今回が3回目。今回のテーマは「科学絵本」と「ファンタジー絵本」についてでした。
今回は科学絵本について報告いたします。
「科学絵本」という分野があることを皆さんはご存じでしたか?「科学絵本」というのは科学分野のテーマを扱ったものを科学絵本と呼びます。図鑑であらわされる「whatこれなに?」と「一つのものを詳しく見るwhy,どうして、なぜ?」に答えるだけでなく、肝心なことはそれらを物語として子供に分かりやすい絵や写真などで表現されている事です。科学絵本の目指すところは読み手の感動です。
 私が今回宿題として「科学絵本」として選んだのは「自然を再生させたイエローストーンのオオカミたち」です。この本はタイトルから「オオカミ?」「オオカミが自然を再生したって?」という新鮮な疑問にぶつかります。そして「なぜ?どうして?」という物語が「へ―そういう事なの」という驚きを持って読み進みました。この本に描かれているのはストーリーだけでなく生態系の仕組み、再自然化と自然保護について、オオカミのような捕食動物がどうして生態系にとって大事なのかを学ぶことができます。それと同時に人間と自然、動植物の共生の在り方について深く考えさせられ、子供達にも伝えていきたい内容の絵本でした。
 私がもう一つ紹介したい「科学絵本」は「大津波のあとの生きものたち」(永瀬嘉之写真・文、少年写真新聞社)です。この本は2011年3月11日の東日本大震災で津波の被害にあった海岸を津波の直後から歩き続け、かろうじて生き残った動植物を観察し続け、自然界での生き物同士のつながりとその繋がりを人間が防波堤を作ることで破壊していく様子を写真絵本として出版されたものです。作者の粘り強い静かな観察と事実が人間と自然界の在り方について未来へのメッセージとして表現されています。事実を客観的に見ていくことで見える景色があること、津波は人間にとっては悲惨な出来事であったが浜や海で生きている動植物にとっては再生のきっかけとなったこと、救いとなる出来事であったことを知ります。そしてそれをまた人間の力で壊していく、「自然を再生させたイエローストーンのオオカミたち」と「大津波のあとの生きものたち」の科学絵本は人間の生き方を科学という目で見るとどうであるかという事実に直面させられ、だからこその説得感があり、人間の在り方を深く考えさせられる本となりました。
 「科学絵本」のテーマとしてはこのような動物や昆虫の生態や植物の植生など自然から人体の仕組み、さらには乗り物や建築物など人間が作ったものの仕組みなど様々あります。また表現方法にも手書き風のイラストや写実的な絵、写真などが混在しています。(絵本とは何かP104)
 又偶然私の開催している絵本の会で参加者の方が紹介して下さった「どんぐり」(こうやすすむ作,かがくのとも)「うんこができるまで 」(佐藤 守 作・絵、知識の絵本、岩崎書店)この本は私の友人が手術したあと自分の体の事が知りたいと向き合われた絵本。複雑な体とうんこのでき方をかわいい小人と文章で分かりやすく説明されています。
 この様に科学絵本は子どもたちばかりでなく大人にも次のページをめくっって見たくなる、深く知りたくなる好奇心をくすぐられます。科学絵本でゼミの先生や仲間から絶賛されているのは「せいめいのれきし」(バージニア・リー・バートン文・絵 いしいももこ訳 まなべまこと監修 岩波書店)です。この本は作者が8年かけて1962年に完成し日本に1964年に紹介されています。私はこの絵本を絵本の友達から紹介され去年初めて手に取りました。子供の時に手にしていたら興味関心が変わっていたかなと思わせる絵本でした。この絵本を読んで実際に将来を決めた若者がいるとのお話。絵本の持つ力は大きいですね。孫たちのクリスマスプレゼントにこの本を送りたいと思います。


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