父は私を愛ではなく比較で育てた。だから私もすべてを比較で見るという、残酷な目を持っている。
父は私を愛ではなく比較で育てた。だから私もすべてを比較で見るという、残酷な目を持っている。
その目はどんなに尊いと言われる聖人でも、どんなに才能があると言われる超人でも、すべてが科学的に、物量的な数値で表される。
彼の伝説は伝説ではなくなってしまうし、
彼女のオーラはオーラではなくなってしまう。
それが私という存在だ。
でも、それだけに捉われるような自分では、もうない。
私は愛を知った。
人としての愛を知った。
愛と比較、この両方を併せ持つ。
それが精神の深化をした私なりの世界である。
ひょうきんでいて、苦悶を知っている。
バカでいて、真面目である。
鈍臭くて、繊細である。
男らしくて、女らしい。
私の父は何も与えなかった。けれど、私はそれで死ななかった。
そうして私は文化を獲た。
だからそれをこれからも変わらず書き続ける。
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