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回顧、わかめご飯(エッセイ)

私は、テレビドラマ「おいしい給食」をアマプラで見ていた時がある。
1980年代の中学校を舞台に、先生とある一人の生徒が給食愛を爆発させ、密かに競い合い、時には同志のような関係になる物語だ。

本当に面白いので、見たことない方は是非一度見て頂きたいと思う。

そんな「おいしい給食」を見ていると、私は小学校、中学校で食べていた給食を
思い出さずにはいられない。
私が中学校の時の給食は、県の表彰を受ける程にとても考えられていて、素晴らしい献立だったらしい。

何ヶ月に一回、給食の時間に栄養士さんが給食の説明をしに来てくれる時もあり、私は今はもう憶えていないけれど、その時はちゃんと聞いていた。

特に私が好きだった給食は、わかめごはん。煮込みハンバーグの献立の給食。
本当に大好きだった。
この2つが出る給食の時は給食が楽しみで楽しみで仕方なかった。

給食のわかめご飯を家で再現したくなりネットや料理のアプリで調べその通りに作ったものの、給食の時のわかめご飯の味とはちがっていたし、給食のわかめご飯の味には全く及ばなかった。

このご飯ならずっと食べていたい。
そんな風に思っていたし、余っていたらたまに、おかわりをしたりしていた。

このわかめご飯とセットに大きいお皿に乗っていたのが煮込みハンバーグ。
煮込みハンバーグといってもケチャップ味ではなく、和風。
汁気はなく、何時間も美味しく煮込まれた和風ハンバーグは、程よい塩味とお肉柔らかさがわかめご飯ととても良く調和をしていた。

大人になり、給食を食べることが出来なくなった今、私はどれだけ給食が美味しかったか、素晴らしいものだったかを噛み締めている。

献立によって好き嫌いはあったものの、おいしい給食の方が多かった。

もう二度と食べられない給食の味。

私はドラマを見ながら、そんな給食の味を反芻していく。
頭の中に残っているわかめご飯、煮込みハンバーグの味は、変わらずほのかに残っている。

食べられるなら、また食べたい。

それほどに美味しく、有り難いものだった。


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